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プロ野球

阪神ドラ5糸原 初づくしや!サヨナラ打&本塁打&4安打

 ◇セ・リーグ 阪神7―6巨人(2017年7月9日 甲子園)

<神・巨>9回、サヨナラ打の糸原は金本監督(左)と抱き合う

 阪神は9日、巨人戦でサヨナラ勝ちした。同点の9回2死一、二塁から糸原がマシソンの直球を捉え中越えに適時二塁打を放った。プロ1号を含めプロ初の4安打で3打点の大暴れ。雨の影響で16分遅れで開始され、不快指数がMAXになったところでの活躍で、チームの連敗を2で止めた。

 打球が中堅手の頭上を越えると、糸原は無邪気な笑顔でナインの祝福を受けた。お立ち台に立つと「抜けてくれ!と願いながら走っていました。最近全然打てていなかったし、やり返すつもりでした!」と満面の笑みを浮かべ、絶叫した。

 記念すべき一発も序章に過ぎなかった。5回、1点を勝ち越し、なおも1死二塁、山口俊の内角低め速球を捉えた打球は右中間スタンドに届いた。「感触は完璧だったので、スタンドまで届くと信じて走りました」。ドラフト5位以下の球団新人が本塁打を放つのは10年の藤川俊(現俊介)以来で初アーチの記念球は、12日から甲子園歴史館に展示されることも決まった。

 プロ初の4安打は3二塁打に本塁打と長距離砲も顔負けの長打攻勢。4安打全て長打は、ドラフト制以降の球団新人では史上初めてだった。

 追い求めてきたスイングは、自身同様、小柄な左打者の平野打撃コーチから指導を受けたものによる。数多い課題の中の一つのテーマが「ボールを近くまで引きつける」。その一環として打席前にはゴルフスイングのような素振りをするのがルーティンだ。「結果で返すしかない」と話すように努力が実った瞬間でもあった。

 5日には地元の島根県に「大雨特別警報」が発令されると、即座に母・洋子さんに「大丈夫?」とLINE(無料通信アプリ)を送った。警報が出ていたのは同県西部地域で、実家がある東部の雲南市には直接的な被害は無かったが「今の自分があるのは家族、支えてくれた人のおかげ」と話すだけに心配でならなかった。

 地元には大きな恩がある。入寮直前の今年1月2日。開星高時代の監督だった野々村直通氏や家族が地元の会館を貸し切り「糸原健斗激励会」を開いてくれた。プロ入りを祝う約120人の応援団の前で「プロに入るだけが目標じゃない。みなさんに恩返しができるようにがんばります!」と誓った。

 金本監督からは「糸原デーみたいなもんですね。まさかと言えば失礼だけど3本打っていて最後もね。糸原のための舞台かなとチョロッと思ったりしたけど。その通りになって良かった」と最大限の褒め言葉をもらった。

 7月初安打で3安打以上はプロ入り2度目。開幕から1軍に定着し結果も出しているが、常に「まだまだ」の精神で取り組む。「真の恩返し」は、不動のレギュラーになった時。まだまだ打ち続ける。(巻木 周平)