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プロ野球界で最も過小評価されている選手…日本ハム・宮西、リスク避け快挙達成へ

 実績は申し分ないが、メディアに取り上げられることが少ない。日本ハムの宮西尚生投手(34)はプロ野球界で「最も過小評価されている選手」の一人だろう。

キャッチボールで力強い球を投じる宮西

 2020年1月4日、自主トレ公開日。宮西は兵庫県尼崎市にある母校・市立尼崎で懸命に汗を流していた。「どこからでも写真を撮っていいっすよ」と報道陣に笑顔を見せると、とにかく走る。午前10時からアップを始めると、インターバル走がスタート。約1分間の休憩を挟みながら、100メートルほどの距離をひたすら往復。約50分間。「今日のメニューは走るだけ?」とこちらが心配になるほどだった。

 ランメニューを終えると、次はキャッチボール。なぜか左利き用のキャッチャーミットで「見出しできたな。“捕手との二刀流や”って」と笑いながら、わざと山なりに投げてみたり、1球ごとに左肘の高さを変えてみたり…。これほど意図を感じるキャッチボールは珍しい。

 宮西は昨季55試合に投げ1勝2敗、防御率1・71、43ホールドで自身3度目の最優秀中継ぎ賞に輝いた。15、18年オフと2度の左肘手術を挟みながらも12年連続50試合以上登板を達成し、自身が持つパ・リーグ記録を更新。通算337ホールド、同370ホールドポイントは断トツで、今後、規定が変わりさえすれば「名球会」に入る可能性も大いにあるだろう。

 そんな宮西も34歳になり「体の変化を一気に感じるようになった」と言う。ランメニューでの全力ダッシュは数本に抑え「強度を上げればケガのリスクが増える。でも、走る量は落としなくない。このバランスが難しい」。今夏の東京五輪の影響で公式戦開幕が一週間ほど早まるが、ブルペン入りも焦らずキャンプイン後に設定。慎重に調整を重ね、レベルアップに取り組んでいる。

 現役晩年にケガが影響して引退に追い込まれた先輩たちを何人も見てきた。練習でレベルアップを目指しつつ、極力、ケガのリスクは避ける。まだ34歳だが、もう34歳。この“葛藤”を乗り越えれば岩瀬(元中日)が持つ「デビューから15年連続50試合以上登板」の記録更新も一気に見えてくる。その時は盛大に宮西の快挙を紙面で報じられることを切に願っている。(記者コラム・柳原 直之)