BASEBALL GATE

プロ野球

HOT GAMES 西山秀二が斬る『6月28日 横浜DeNA 対 広島』

日本生命セ・パ交流戦が終わり、前半戦も残りわずか。リーグ戦再開後は、どんな様相になるかと注目が集まったが、セ・リーグでは広島、パ・リーグでは楽天とともに首位のチームがふたたび白星を重ねている。特に好調なのがセ・リーグ連覇を狙う広島だ。リーグ戦再開直後、2位・阪神との対決で連勝。続く横浜DeNAとの戦いでも強さを見せた王者・広島の充実ぶりを、同球団のOBでもある西山秀二氏が語ってくれた。

——前半戦も残すところあとわずかです。いま(28日現在)行われているカードを含めて、残す
カードは5つとなりました。セ・リーグでは広島が連勝発進と強さを見せています。西山さんはどうみていますか?

「昨年優勝した勢いそのままといったいい印象ですね。一昨年までは、ファンのみなさんも知っての通り、交流戦に入る前あたりの5月というのが、広島の一番苦手とするところだったんですけど、今年は昨年同様に強さを示していたなと思います」

——交流戦では優勝こそ逃したものの、トップのソフトバンクと同じだけ白星を積み上げ、2位に終わりました。

「そうですね。交流戦も好成績で終えられたことがまた、今年もやれるという自信になっているでしょうね」

——いまのチームの強みというのはどこにあるでしょうか?

「相手の隙をつく野球、一度流れを掴んだら試合を落とさないという、“勝てる野球”ができていますよね。先手を取ったら、どんどん加点していきますし、一度ビハインドになっても追いつける強さがいまの広島にはありますよね」

——リーグ戦再開の初戦は、2位・阪神との対決でした。広島が初戦で13対3と大勝しました。

「どうなるかなあと思いましたが、広島が強さを見せましたよね。雨で1試合流れましたが、広島が連勝でした。どちらかと言うと、阪神打線の元気のなさが目立ってしまう内容でしたが、そこできっちりと買っておけるというのが、チームとしての強さですよね」

——続くDeNAとの対戦では、初戦でビハインドの展開ながら終盤に逆転勝ちを収めています。

「終盤7回、勝ちパターンのパットン投手を攻めての逆転でしたね。あの場面、新聞のコラムで別の解説者さんも触れていましたが、濱口投手からパットン投手に変わるタイミングで捕手の高城選手を戸柱選手にスイッチしました。普段受け慣れている正捕手を起用するというのもわからなくはないのですが、捕手目線でみると、試合の途中からマスクをかぶるというのはすごく難しいです。相手打者のその日の結果とかは当然試合を見ていてわかっているんですが、実際にマスクをかぶっているのと、外から見ているのでは、感じ方が全然違うんですよね。あの試合では、火のつき始めた広島打線を止めることができなかった。うまくいけば逃げ切れたでしょうけど、難しい采配だったのかな、という気もしますね」

——翌28日の試合では、DeNAが逃げ切り勝利を収め、連勝は一旦ストップしました。

「そうですね。DeNAが理想の展開で試合を進めていたかと思います。小刻みに一発で追加点を奪う攻撃は見事でしたね。ただ、最終スコアは11対8と、追い上げていました。勢いが止まることはないと思います。故障したという新井さんの様子が気になりますが、ここからの戦いも実に楽しみですね」

——ありがとうございました。


西山 秀二 (にしやま・しゅうじ)
球歴:上宮高→南海→広島→巨人
広島黄金期を支えた“鯉”女房。85年のドラフト4位で南海に入団。87年途中に広島に移籍すると、93年から達川光男の後を受けて正捕手の座を掴み、94年、96年とベストナイン&ゴールデングラブ賞受賞。05年に巨人に移籍し、引退後は巨人のバッテリーコーチとして手腕を振るった。大阪府出身。右投げ右打ち。捕手。