- 小中学野球
2019.12.29 16:33
笑顔貫いた東京ヤクルトジュニアが14年ぶりV!度会博文監督「失敗や負けから成長できた」
12月29日、札幌ドームで27日から行われてきたNPB12球団ジュニアトーナメント2019 supported by日能研の準決勝・決勝が行われ、東京ヤクルトスワローズジュニアが14年ぶり2回目の優勝を果たした。
主将を務める精神的支柱でもあり3回に値千金の先制3ランを放った本島敬大(城北クラブ)が最後の打者をセンターフライに抑えると、ヤクルトジュニアの選手は飛び跳ねながらマウンドに集まり、喜びを分かちあった。
チーム結成当初は練習試合でなかなか勝てなかった。相手のジュニアチームには本塁打が飛び出すが、ヤクルトジュニアはなかなか快音が聞かれなかった。
そんな状況でも度会博文監督は「失敗や負けが無いと成長しない。失敗したからこそ、“ああやればよかった”“こうすればよかった”と考える。それだけで成長だよ」「努力に即効性は無くても裏切らないよ」とミーティングで繰り返し伝えてきた。
また「明るく、楽しく、笑顔で」というモットーを指導陣・選手たちが練習や試合だけでなく挨拶などでも貫き通した。どのチームよりも選手たちの声は大きく、一体感は抜群だった。
そうした姿勢が、次々と奇跡を起こした。準決勝のDeNAジュニア戦では1対1の同点で延長戦に突入。2イニングのタイブレーク(無死一、二塁から)で先攻の相手に2点、3点をそれぞれ奪われたが、両イニングとも驚くべき執念を見せて、追いついて引き分けに持ち込んだ(両チーム選手たちの抽選により決勝進出)。
決勝戦でも遊撃手の阿部駿大(洋光台球友イーグルス)が準決勝に続き好守を何度も見せ、中堅手の中村虎雅(高尾アローズ)も好送球で本塁を刺すなどビッグプレーが次々生まれた。そして、笑顔を弾けさせてベンチに帰ってくる姿も印象的だった。
阿部が「みんなで楽しくここまでやってきて、こんなにいいグラウンドで一番楽しく野球ができました」と話すなど、どの選手からも「楽しい」「楽しかった」との言葉が聞かれた。
悔しさや敗北が原点となりながらも、前向きにチーム一丸となって戦い通したヤクルトジュニアが、この大会で最も輝きのある笑顔を手に入れた。
◼️準決勝第1試合
千葉ロッテ Jr. 01001=2
東北楽天 Jr. 5130X=9
(大会規定により5回コールド)
【ロ】●蜂谷、石井、齊藤-久我
【楽】大友、○原、遠藤-遠藤、柴田
本塁打:楽天・原 (1回満塁)、遠藤(2回ソロ)
◼️準決勝第2試合
横浜DeNA Jr. 000100023=6
東京ヤクルト Jr. 000010023=6
(延長8回から延長タイブレーク)
(大会規定により引き分け。抽選の結果ヤクルトが決勝進出)
【D】森、永野、楊、渡邉-佐々木
【ヤ】鈴木、加藤、本島-横山
本塁打:DeNA・小口(9回3ラン)
◼️決勝
東京ヤクルト Jr. 0030010 = 4
東北楽天 Jr. 0000000 = 0
【ヤ】鈴木、○加藤、本島-横山
【楽】●松浦、佐々木、大友-遠藤
本塁打:ヤクルト・本島(3回2ラン)
文・写真=高木遊