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笑顔貫いた東京ヤクルトジュニアが14年ぶりV!度会博文監督「失敗や負けから成長できた」

優勝記念写真でも笑顔が弾ける選手たちとスタッフ(東京ヤクルトジュニア)

 12月29日、札幌ドームで27日から行われてきたNPB12球団ジュニアトーナメント2019 supported by日能研の準決勝・決勝が行われ、東京ヤクルトスワローズジュニアが14年ぶり2回目の優勝を果たした。

 主将を務める精神的支柱でもあり3回に値千金の先制3ランを放った本島敬大(城北クラブ)が最後の打者をセンターフライに抑えると、ヤクルトジュニアの選手は飛び跳ねながらマウンドに集まり、喜びを分かちあった。

 チーム結成当初は練習試合でなかなか勝てなかった。相手のジュニアチームには本塁打が飛び出すが、ヤクルトジュニアはなかなか快音が聞かれなかった。

 そんな状況でも度会博文監督は「失敗や負けが無いと成長しない。失敗したからこそ、“ああやればよかった”“こうすればよかった”と考える。それだけで成長だよ」「努力に即効性は無くても裏切らないよ」とミーティングで繰り返し伝えてきた。

 また「明るく、楽しく、笑顔で」というモットーを指導陣・選手たちが練習や試合だけでなく挨拶などでも貫き通した。どのチームよりも選手たちの声は大きく、一体感は抜群だった。

 そうした姿勢が、次々と奇跡を起こした。準決勝のDeNAジュニア戦では1対1の同点で延長戦に突入。2イニングのタイブレーク(無死一、二塁から)で先攻の相手に2点、3点をそれぞれ奪われたが、両イニングとも驚くべき執念を見せて、追いついて引き分けに持ち込んだ(両チーム選手たちの抽選により決勝進出)。

 決勝戦でも遊撃手の阿部駿大(洋光台球友イーグルス)が準決勝に続き好守を何度も見せ、中堅手の中村虎雅(高尾アローズ)も好送球で本塁を刺すなどビッグプレーが次々生まれた。そして、笑顔を弾けさせてベンチに帰ってくる姿も印象的だった。

 阿部が「みんなで楽しくここまでやってきて、こんなにいいグラウンドで一番楽しく野球ができました」と話すなど、どの選手からも「楽しい」「楽しかった」との言葉が聞かれた。

 悔しさや敗北が原点となりながらも、前向きにチーム一丸となって戦い通したヤクルトジュニアが、この大会で最も輝きのある笑顔を手に入れた。

胴上げされる本島敬大主将(東京ヤクルトジュニア)

2番手の加藤優空(写真右)を迎える先発の鈴木瑚南(東京ヤクルトジュニア)

元気や笑顔の大切さを伝えてきた度会博文監督(東京ヤクルトジュニア)

◼️準決勝第1試合
千葉ロッテ Jr. 01001=2
東北楽天 Jr. 5130X=9
(大会規定により5回コールド)
【ロ】●蜂谷、石井、齊藤-久我
【楽】大友、○原、遠藤-遠藤、柴田
本塁打:楽天・原 (1回満塁)、遠藤(2回ソロ)

◼️準決勝第2試合
横浜DeNA Jr. 000100023=6
東京ヤクルト Jr. 000010023=6
(延長8回から延長タイブレーク)
(大会規定により引き分け。抽選の結果ヤクルトが決勝進出)
【D】森、永野、楊、渡邉-佐々木
【ヤ】鈴木、加藤、本島-横山
本塁打:DeNA・小口(9回3ラン)

◼️決勝
東京ヤクルト Jr. 0030010 = 4
東北楽天 Jr. 0000000 = 0
【ヤ】鈴木、○加藤、本島-横山
【楽】●松浦、佐々木、大友-遠藤
本塁打:ヤクルト・本島(3回2ラン)

文・写真=高木遊