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HOT GAMES 中根仁が斬る『6月19日 横浜DeNA 対 オリックス』

19日の試合をもって、今年の日本生命セ・パ交流戦の全日程が終了した。全試合の結果はセ・リーグ51勝、パ・リーグ56勝(1分)となり、ソフトバンクが3連覇。例年に比べれば大分セ・パの差が縮まったという声もある。昨日唯一行われた横浜DeNAとオリックス戦の感想ととともに、交流戦全体の感想を、横浜・近鉄OBの中根仁氏が語ってくれた。


——交流戦の全日程が終了しました。ソフトバンクの3連覇という結果に終わりましたが、どう思いますか?

「安定した強さが今年もありましたよね。けが人も多くて苦しんでいたとは思いますけど、柳田選手、内川選手、中村選手に上林選手と、全体として、相手のタイプに影響されない選手が多いチームだという風に思います。普段あまり戦わない相手でも、対応できる能力がある選手が多いので、交流戦で結果が残せるのだと思います」

——交流戦のチーム打率は12球団中2位の.268、防御率はトップの2.72という数字に終わっています。

「強いですよね。投手陣は誰が出てきても最低限の仕事をする印象があります。あとは、力のある投手が多い鉄壁の救援陣というのもセ・リーグ相手に有効だったと思います」

——リリーフの強さですか?

「そうですね。森、岩嵜、サファテ、彼らに負けがついた試合が1試合しかありませんでした。3人ともボールの力、スピード感がありますし、三振が獲れる投手です。彼ら以外にもいい投手を抱えていますし、リリーフの強さは間違いなく、交流戦の武器になっていると思いますね」

——セ・リーグとパ・リーグの違いとはどういったところにあるのでしょうか?

「これは昨年までは特に顕著だったと思うのですが、パワーピッチできる投手の数が圧倒的にパ・リーグのほうが多かったですよね。それが球場が広いせいなのか、そもそものドラフトの違いなのかはチームによってまちまちだと思うんですけど、150キロを超えるストレートを持っていて、力で押していけるピッチャーっていうのが、セ・リーグに比べ非常に多かった印象です」

——今年はそうではなかったですか?

「もちろん、変わらない部分はあるんですが、圧倒できるピッチャーはそこまで多くなかったと思います。開幕から、そういった投球で結果を残している選手はあまりいませんでしたから、セ・リーグにもチャンスがあると思っていました。結果的には今年もパ・リーグが勝ち越しましたが、例年に比べれば競った結果でしたよね」

——リーグ全体の順位争いにも、大きな動きはありませんでした。

「そうですよね。セ・パ関係なく、実力通りの結果が出たのが今年の交流戦だったと思います。巨人、ヤクルトの連敗はまさかでしたが、状態の悪さがそのまま結果に出てしまいましたね」

——ちなみに最終戦では中根さんの古巣でもある横浜DeNAがオリックスに敗れました。

「先発した飯塚投手は頑張っていたのですが、残念でしたね。ただ、6回に追加点を加えて、7回から勝ちパターンを投入して、万全の試合をして負けたわけですから、DeNAにとっては仕方がない敗戦だと思います。これが、例えば点差がついたからもう少し投手を引っ張ろうとか、勝ちパターンとは別の投手で逃げ切ろうとして失敗したならいただけませんが、しっかり逃げ切ろうとして、今回は叶わなかった。そういう日もあるという風に考えられる負けじゃないかなとは思います」

——中根さんがコーチ時代に入団してきた宮﨑選手の活躍も光っています。

「私は何もしていませんけど、少しでも一緒にやっていた選手が活躍するのはうれしいですね。もともと、バッティングはプロに入ってきたころからすばらしいものを持っていました。スイングが強くて、打球スピードがとても速い。教えても身につけられないものを持っている選手でしたので、本人の努力もあっていまこうして活躍しているのをみるのは本当にうれしいですね」

——ありがとうございました。

中根 仁(なかね・ひとし)

球歴:東北高→法政大→近鉄→横浜

パンチ力ある打撃と俊足&強肩で活躍した元・近鉄戦士。近鉄で9年間活躍したのち、97年オフに横浜へと移籍。左キラーとして翌年のVに大きく貢献した。東北高では甲子園にも出場し、

ひとつ下の後輩に佐々木主浩。現在は引退後のアスリートを応援するポータルサイト『アスリート街.com』の代表をつとめる。宮城県出身。右投げ右打ち。外野手。