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プロ野球

陽岱鋼、巨人の“新センター弾” 死球恐怖乗り越え移籍1号

 ◇交流戦 巨人8―0ロッテ(2017年6月17日 東京D)

8回2死一塁 陽は右中間に1号2ランを放つ

 巨人の「新センター」に大歓声が浴びせられる。中堅に走った陽岱鋼(ヨウダイカン)は、舞台俳優のように右手を胸の前に添えてお辞儀した。

 「最高の気持ち、ハッピーです。うれしいです、完璧でした」。42打席目での一発だ。5―0から1点を加えた8回、さらに2死一塁で土肥のチェンジアップを振り抜いた。右中間へ運ぶ移籍1号2ラン。打線は今季最多タイの14安打で8得点。今季初の3試合連続2桁安打に花を添える特大弾となったが、「残像が残っていた」と恐怖心を乗り越えた一打でもあった。

 15日のソフトバンク戦で頭部死球を受け、前日は欠場。3回、二木から高めに投げ込まれると、恐怖がよみがえった。「腰を引いてしまった」と投ゴロに終わると、ベンチに戻って自身に言い聞かせた。「何も考えないようにしよう。投手との勝負。やってやる」。集中力を研ぎ澄まし、スポットライトを浴びた。

 下半身の張りで約4カ月も続いたリハビリ生活。「研修生」にも溶け込んだ。10歳も年の離れた3軍の育成選手たちと寝食を共にし、春季キャンプでは「ダイさんって呼んで」と声を掛け、休養日は焼き肉に誘った。1軍復帰直前に1試合だけ出場した3軍戦でも、ベンチで声を張り上げた。センターから育成の右翼、左翼手に「右打者だから打球が右にそれる」など声掛けをして引っ張った。

 高橋監督がプロデュースした新打順。これまでの1番から初めて6番に入り、「あそこまで飛ばせる力がある。改めていい打者」と評された。陽気な台湾スターは言った。「みんな楽しく野球をやっている。明日も勝ちたい」。開幕カード以来の同一カード3連勝を目指す。 (神田 佑)