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プロ野球

4番福留 サヨナラ呼ぶセーフティーバント 間一髪アウトも2年ぶり犠打

 ◇日本生命セ・パ交流戦 阪神3―2西武(2017年6月15日 甲子園)

<神・西>10回無死一塁、福留は送りバントを決める

 4番の献身が劇的勝利を呼び込んだ。2―2で迎えた延長10回無死一塁。サヨナラ勝ちへ、是が非でも走者を進めたいところで打席に入ったのは阪神・福留だった。若手なら確実に送りバント。ただ、40歳の主将は別格だ。金本監督も本人に任せた場面で、初球の150キロに意表を突いてバットを寝かせた。

 投手と捕手の間に転がした絶妙のセーフティーバント。激走も実らずアウトにはなったが、しっかりと高山を二塁に送り原口のサヨナラ打につなげた。

 「オレは関係ないよ。今日はあの2人(原口、中谷)に聞いて」

 試合後はヒーロー二人を称えるコメントだけ残し、自らは黒子に徹した。だが、実績やプライドも関係なく、勝利への執念を見せた姿勢は、その後の打者へ大きな刺激になったことは間違いない。金本監督も改めて全幅の信頼を口にした。

 「全くノーサインですけど、おそらく彼の判断でどういう打撃をすればいいか、この投手に対して何ができるかを考えてね。やるかなとは思っていた。しかし、うまいわ」

 福留の犠打は15年8月14日のヤクルト戦以来、2年ぶり。ただ、指揮官が予感したように伏線はあった。5月7日の広島戦の0―0の4回無死一、二塁。そこまでチームが打ちあぐねていた九里からセーフティーバントを敢行。ファウルになったものの、結果的に二ゴロで走者を進め、鳥谷の決勝2点打につなげていた。

 初回2死二塁では「先制のチャンスだったし、後ろにつなぐことだけを考えて打ちにいった」という右前先制打。これが6試合ぶりの打点だったように、打撃の調子も体の状態も決して良くはないが、その中でも何とかチームに貢献しようとする。数字では計れない存在感が、金本阪神の4番を任されるゆえんだ。(山添 晴治)