- プロ野球
2017.06.15 16:25
HOT GAMES 門倉健が斬る『6月14日 巨人 対 ソフトバンク』
すっかり上位と下位の明暗が分かれたような雰囲気が立ち込めているが、シーズンはまだ半分以上残っており、起爆剤のような存在が出てくれば、チームの勢いがグッと上昇することもある。トレードや、新外国人選手の獲得、さらには“不在の戦力が戻ってくる”ことが、そんな存在になりうるだろう。今回話を聞かせてくれたのは、門倉健氏。移籍後初登板で素晴らしい投球を見せた、山口俊の登板をみた感想を語ってくれた。
——交流戦も残すところわずかです。現時点でのチームの状況はどのように解釈したらよいでしょうか?
「まだわからないでしょう。特にいまは、交流戦です。交流戦自体の結果ではかなり明暗が分かれましたけど、パ・リーグでいうオリックスのように、相手が変わって一度盛り返すこともありますからね。交流戦をうまく乗り越えたというつもりでいても、リーグ戦はまた別だという風にいかに切り替えられるかが大事だと思いますね」
——現時点(15日終了時点)では、カープが交流戦首位に立っています。次に西武がおり、その下にソフトバンク、オリックス、阪神、楽天と続いています。
「個人的には今年はセ・リーグとパ・リーグが五分五分ぐらいの結果になるんじゃないかなと思っていたんですよ。結果的に、巨人とヤクルトが大きく負け越したことで、パ・リーグが圧勝していますが、全体の結果をみれば数字ほどの差は感じないシーズンだと思いますね。まだ終わっていませんから言い切れない部分はありますけれど。交流戦前から上位争いをしていた広島、阪神の2チームがパ・リーグ相手にもしっかりとした試合をしていますから、このまま最後まで上位でいてほしいですね」
——優勝争いも熾烈です。
「そうですね。明日からは広島とソフトバンクが対決しますし、西武はこのところいい戦いをし始めている中日とですから、最後まで面白くなりそうですね」
——さて、一方交流戦でガクッと調子を落としてしまったのが先ほども名前が出ていた巨人とヤクルトの2チームです。
「そうですね。悪夢のような日々だったと思います。見ていて気持ちがわかる分、辛かったですね」
——そんななか、昨日は巨人とソフトバンクのゲームをチェックしていただきましたが、なんといっても山口俊投手の投球が勝利を呼び込みました。
「そうですね。移籍後初登板で緊張もあったでしょうが、素晴らしい投球だったと思います。立ち上がりが良かったから乗っていけましたよね。先頭の川崎選手をいきなりに三振に取ることができて、自分らしい投球ができたのだと思います」
——結果的には6回を無失点というピッチングでした。故障明けではありますが、状態はどうみますか?
「万全と言っていいんではないですかね。もちろん、昨日投げての今日でどうかというのはあるでしょうけど、投げているボールを見たら、いい調整をしてこれたんだなあという感じはしました。時間をかけた分、しっかり自分のボールを投げれていましたよね」
——万全とみてよいでしょうか?
「まあまだ1試合ですけど、昨日の投球を見る限りは素晴らしかったのは結果にも出ていましたよね。ストレートも150キロ出ていましたし、フォーク、スライダーも低めにしっかりとコントロールできていた。昨日は6回でマウンドを下りましたけど、もっと投げたかったんじゃないですかね」
——かつては門倉さんも横浜から巨人へと移籍した経験をお持ちです。山口投手がお立ち台で涙する姿をみて、思うところもあったのでは?
「そうですね。まあ、私のときとは時代が違いますし、状況も違いますから一緒ではないですけれど、FAで別のチームに移籍してプレーすることのプレッシャーっていうのは、普通と全然違います。ダメなときのヤジは精神的にも来ますし、よく耳に聞こえてしまうんですよ。それが、勝ったときはいい言葉が聞こえてくるし、歓声に包まれたときには自然とグッとくるものがあるんです。山口投手にはこれからもたくさん、お立ち台に上がれるように頑張って欲しいなと思いますね」
——巨人の救世主的な存在となるでしょうか?
「可能性はあるでしょう。先発、完投できるピッチャーですから、チームとしては頼りになると思いますよ!」
——ありがとうございました。
門倉健(かどくら・けん)
球歴:聖望学園高→東北福祉大→中日→近鉄→横浜→巨人→カブス他
アメリカ、韓国を含め7球団を渡り歩き活躍した右の本格派。190㎝を超える長身から投じる角度ある直球とフォークボールを武器に、先発・中継ぎ・抑えの全てを経験。2005年には奪三振王のタイトルを獲得した。引退後は韓国・三星ライオンズでコーチを務めた。埼玉県出身。右投げ右打ち。投手。公式ブログ(https://ameblo.jp/kadokura-ken/)。