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関大が47年ぶりVに王手!甲子園優勝戦士が殊勲の一打【11/19 第五十回記念明治神宮野球大会・大学の部準決勝 関西大vs東海大】

 関西大(関西五連盟第一代表)が東海大(関東五連盟第二代表)を延長10回タイブレークの末に8対7で下し、47年ぶりの優勝に王手をかけた。

タイブレークとなった延長10回表に決勝打を放った坂之下(写真上)。塁上では「自然に出ました」とベンチに向かってガッツポーズを見せた(写真下)

 勝利に導く一打を放ったのは2017年春の甲子園優勝メンバーである8番の坂之下晴人(2年・大阪桐蔭)。延長10回一死一、二塁の一打勝ち越しの場面で「何とかしてヒットでもエラーでも1点を取りたかった」と意気込んで打席に立った。
普段は逆方向に運ぶ打撃が持ち味の坂之下だが、2ボール2ストライクからの5球目は「内に来る気配がした」と内角に狙いを定めると、インコース寄りに甘く入った変化球を引っ張り、レフト線へのタイムリー二塁打を放つ。これが決勝点となり、食い下がる東海大を振り切った。

 大阪桐蔭高時代は泉口友汰(現青山学院大)との二遊間コンビで高校野球ファンを魅了した。関西大に進学しても高い守備力を武器に2年春から二塁手のレギュラーに定着。巧みな守備でチームを支える一方で、春のリーグ戦は打率.176と打撃に課題を残していた。

 しかし、秋の後半から勝負強い打撃が目立ち、前日の準々決勝でも先制打を放つなど、バットでもチームを引っ張る存在となっている。その理由は自信を持てるようになったからだと坂之下は話す。
「打てなかったのは自信を持ちきれなかったからです。秋の後半から自信を持ってやろうと思いました。近大戦(第7節2回戦)で逆転タイムリーを打てて、そこから自信を持てるプレーできていると思います」

 関西大は優勝すればアドバイザリースタッフを務める山口高志氏(元阪急投手)を擁した1972以来47年ぶりの優勝となる。「山口高志さん以来の日本一を取りたいです」と決勝に向けて決意を述べた坂之下。高校で全国制覇の喜びを知る男が大学でも日本一に導く活躍を狙う。

■準決勝:関西大vs東海大
関西大 3000003002=8
東海大 2001100111=7
(延長10回タイブレーク)
【関】巻、鷲尾、肥後、○高野、森-久保田、林
【東】村上、高杉、原田、宮路、●松山-海野
本塁打:東海大・竹内(5回ソロ)

◎東海大・安藤強監督
「今年は選手権も神宮もベスト4。長倉主将をはじめ、4年生が引っ張ってくれたおかげでここまで来られたと思います。勝ち続けることを知らない選手が多く、怪我人も出ました。タフなチームを作らないといけないと思っています」

◎東海大・長倉蓮主将(4年・東海大相模)
「力は及びませんでしたが、やることはやったと思います。日本一を目指してやってきましたが、あと一歩何かが足らなかったと思います。4年生が多く試合に出ていましたが、ベンチに入ってその背中を見ていた後輩を中心に引っ張っていってほしいです」

文・写真=馬場遼