- 大学野球
2019.11.19 18:19
慶大・大久保秀昭監督有終の美まであと1勝。城西国際大は快進撃止まるも佐藤清監督は梅田裕斗主将に感謝【11/19第五十回記念明治神宮野球大会・大学の部準決勝 城西国際大vs慶應義塾大】
今季限りで退任する大久保秀昭監督率いる慶應義塾大(東京六大学野球代表)が城西国際大(関東五連盟第一代表)に6対1と快勝し決勝進出を決めた。
慶應義塾大が終始、主導権を握って試合を進めた。
先発のマウンドに上がった木澤尚文(3年・慶應義塾高)は初回に走者を出しながらも後続を抑えると、その裏に1番の中村健人(4年・中京大中京)がレフトスタンドへ飛び込む本塁打を放って、城西国際大先発の舘和弥(3年・平塚学園)の出鼻をくじく。さらに2回には瀬戸西純(3年・慶應義塾高)のタイムリー二塁打で追加点を挙げた。
秋季リーグで11月3日の早慶戦2回戦の2イニングしか登板の無かった木澤は4回に1点を返されたものの5回3安打7奪三振。「状態が良かったので」と送り出した大久保監督の期待に応えて試合を作った。
これで良い流れが生まれると、6回には中村の安打から作ったチャンスでソフトバンクドラフト5位指名の柳町達(4年・慶應義塾高)がタイムリーを放ち、7回には再び瀬戸西のタイムリー、さらに相手のミスも加わり、リードを5点に広げた。
それでも大久保監督は気を緩めることはなく、8回にはエース左腕の高橋佑樹(4年・川越東)を投入。最終回は石井雄也(4年・慶應志木)が試合を締める盤石の投手リレーを見せた。
リーグ戦では優勝こそ果たしたが早慶戦で敗れたために胴上げはできず。選手たちは「大久保監督を胴上げしよう」と一丸となっているが、大久保監督は「それは嬉しいが、僕は彼らの喜ぶ顔を見たい。郡司を日本一の主将にしたいです」と話した。
また、JX-ENEOSでは都市対抗で3回の優勝を果たしているだけに「決勝戦のワクワクは久しぶり。たまらないです」と笑顔で話し気持ちを昂ぶらせていた。
■準決勝:城西国際大vs慶應義塾大
城西国際大 000100000=1
慶應義塾大 11000130X=6
【城】●舘、中島、宮﨑、島袋-梅田
【慶】○木澤、増居、津留崎、高橋、石井-郡司
本塁打:慶應義塾大・中村(1回ソロ)
◎城西国際大・佐藤清監督
「攻守ともに力不足。ミスも出ましたし、あのレベルの投手が代わる代わる投げてくると太刀打ちできませんでした。(過去最高の全国4強に)主将の梅田を中心に、小粒ですが固まりのあるチームができました。梅田は普段の練習から一生懸命。先に来てクラブハウスやトイレの掃除をしてから練習に入るような主将。良い1年になったと思います」
◎梅田裕斗(4年・長崎日大)
「(過去最高成績に)実感はありませんが一戦一戦勝ちに行った結果だと思います。4年間で人としても粘り強くなれました」
※プロ志望届提出も指名漏れし、社会人野球のバイタルネットに進む。
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文・写真=高木遊