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快進撃は止まらない!元プロ監督も驚きの成長を見せる天理が東北王者を撃破!【11/16 第五十回記念明治神宮野球大会・高校の部準々決勝 天理vs仙台育英学園】

 5年ぶりの出場となった近畿代表・天理が、今夏の甲子園8強の主力が多く残る仙台育英を下して、準決勝進出。5番に抜擢された背番号17の瀨千皓(1年)が1本塁打5打点の活躍を見せた。

7回表に勝ち越しの3点適時三塁打を放ち、ガッツポーズを見せる瀨

 かつては近鉄、阪神でプレーした天理の中村良二監督はこの試合を迎えるにあたって、「気持ちだけは負けるな」と選手たちに伝えたという。「素直で真面目」と指揮官が評する選手たちはその指示を守り、打席で声を出す選手がいるなど、気持ちを前面に出してプレーする姿が見られた。その姿勢はプレーにも表れ、各打者が初球から積極的に振りに行く姿が目立っていた。

 その象徴が瀨だ。4回表、二死一塁の場面で打席に立つと、「初球からどんどん振っていこうと思って打席に立ちました」と1ボールから甘く入ったスプリットを振り抜いた打球はレフトスタンドに飛び込む先制2ランとなる。近畿大会決勝の大阪桐蔭戦でもホームランを打っており、これで公式戦は2戦連発。「ボールがよく見えて、調子は上がっていました」と大会直前からの好調ぶりをこの試合でも発揮した。

 同点の7回表、二死満塁と一打勝ち越しの場面では「狙っていました」と初球に外のスライダーをとらえて、右中間へ走者一掃のタイムリー三塁打を放つ。これが決勝点となり、追いすがる仙台育英を振り切った。

 奈良大会では3位と苦戦した天理。それが近畿大会に入ると、中村監督が「ビックリしました」と試合の度に発するほどの快進撃を見せる。準決勝で履正社、決勝で大阪桐蔭と全国トップクラスの強豪を次々と倒して、近畿の頂点に立った。
「近畿大会で魔法が解けて、神宮大会で戻るかな」といった不安もどこ吹く風。近畿大会で4試合8本塁打の強力打線はこの日も健在だった。

「僕からしたらとんでもない試合を5試合続けてやってくれている感じなんですよ。『中身が変わったんかな?』と。でも力を出せることは本人たちが努力しているんでしょうね」と教え子の成長に目を細める中村監督。怖いもの知らずで勝ち進んでいる天理の勢いはまだ止まりそうにない。

■準々決勝:天理高vs仙台育英学園高
天理高     000203300=8
仙台育英学園高 000023001=6
【天】〇庭野-山元
【仙】●向坂、粕谷、阿部、尾形-木村、小野寺
本塁打:天理・瀨(4回2ラン)、仙台育英・吉野(5回2ラン)、入江(6回3ラン)、小野寺(9回ソロ)

◎仙台育英・須江航監督
「投手陣はそれなりに投げてくれたと思います。相手が強かったですね。選手たちのプレーは悪くなかったとは思わないですが、厳しさを学べたので、センバツに向けて素晴らしい経験になったと思います」

文・写真=馬場遼