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プロ野球

栗山監督 4番から中田外した意味「もう一回いろんなことを伝えたいと」

 ◇日本生命セ・パ交流戦 日本ハム3―2巨人(2017年6月10日 札幌ドーム)

<日・巨>試合後、栗山監督(左)とハイタッチする中田

 日本ハムの中田翔内野手(28)が10日、巨人戦で8回1死二、三塁から左中間に逆転の2点二塁打を放った。打撃不振で4番から外れ、プロ初の3番で先発出場。試合終盤に起死回生の一振りを見せ、連敗を6で止めた。先発出場した試合で4番を外れるのは、12年に栗山英樹監督(56)が就任して以降初めて。その指揮官に通算400勝をプレゼントした。

 中田は試合後、札幌ドームの監督室に向かった。手にはウイニングボール。自ら「400勝」と書き込み、栗山監督に届けた。

 「苦しかったけど、逆転できて良かった。監督の400勝につながって、本当に良かった」。連敗を6で止めてみせた3番打者は胸をなで下ろした。

 1点を追う8回、ネクストバッターズサークルで大型ビジョンに流れたファンの応援メッセージを見た。「4番でも3番でもやることは同じ!逆転しよ!」。共感した。プロ10年目で初めて3番で起用されたが「やることは変わらない。試合に勝ちたい。そのことだけを考えた」と言う。

 1死二、三塁。カウント2―2からの5球目、マシソンが高めに投じた151キロ直球を振り抜いた。左中間を破る逆転の2点二塁打に「真っすぐが強い。最後はそれで来ると思った」。見事な狙い打ちだった。二塁に到達すると、両手を大きく叩き、ガッツポーズを見せ「こんな頼りないバッターに回してくれた。意地でも打ちたかった」と振り返った。

 栗山監督の決断が勝負強さをよみがえらせた。6月に入り、試合前まで34打数5安打、打率・147と不振を極めた中田を3番に変えた。12年に就任して以降、前日まで先発した720試合では全て4番を任せていた。試合前、決断の意図を伝えた。「いかにみんなが(4番に)回そうとしてくれているのかとか、もう一回いろいろなことを伝えたいと思っていた」。4番の自覚を促すとともに、重圧から解放することで、思い切りの良さを取り戻させたかった。

 中田も必死だった。ここ数日、自身のバットとレアードのバットを併用するなど悩み、前日からは新たにツートンカラーのバットを新調。「どんどん振っていくのが自分の持ち味。ここ何日間は自分のスイングができていなかった」。最後の打席で、代名詞のフルスイングが復活した。

 大田と上がったお立ち台。同じ広島出身の後輩が口にした「足が震えました」と言うセリフを繰り返し、笑いを誘った。中田らしいやんちゃな笑顔だった。 (柳原 直之)

 ≪4番で794試合≫中田(日)がプロ入り初の3番で先発し、3打数1安打2打点。中田の打順別起用は4番が最も多く794試合。以下7番69試合、6番54試合、8番7試合、5番4試合。1、2、9番でのスタメンはまだない。また4番では初打点まで9試合かかったが3、5番は1試合目でマーク。ともにV打となっており勝利に貢献している。