★59年ぶりの決勝進出　

　2安打の立教大が3安打の東海大北海道キャンパスを1対0で競り勝ち、２連覇した1958年以来59年ぶりの決勝進出を決めた。
　試合は初回に立教大が東海大北海道の3失策にも助けられて先制に成功するが、その後は立教大・田中誠也投手（2年・大阪桐蔭）、東海大北海道・太田将貴投手（4年・駒大苫小牧）の一歩も譲らぬ好投手戦が繰り広げられた。
　
　左手の指のマメが初戦の富士大戦で潰れていた田中。だが、「相手のデータと映像を見てイメージを膨らませていました」という事前の準備や「相手がチェンジアップを苦手そうにしていたので」とマウンド上での洞察力を生かして、スコアボードに0を並べた。
　8回表には二死一、三塁の場面のピンチを招いて、マウンドを抑えの中川颯投手（1年・桐光学園）に譲ったが、後続を中川が準々決勝同様の堂々とした投球で東海大北海道打線を抑えて、立教大が逃げ切った。

　試合後、立教大・溝口智成監督は好投の田中について「リーグ戦を通じて、本当に粘り強く投げられるようになりました」と成長を称え、「全員野球で半年やってきた集大成を見せたいと思います」と決勝へ意気込みを語った。

　惜しくも北海道勢初の決勝進出を逃した東海大北海道・高橋葉一監督は「全国で勝つには守備力と分かっていたのですが課題となりましたね。打撃でもチャンスで一本出せるようにしないといけませんね」と悔しさを滲ませながら語った。
　一方で、初戦で東洋大を倒し、昨年超えられなかった準々決勝の壁も超えることができたことに対しては「中西の牽引力なくして、ここまで来ることはできなかった。彼のおかげです」と主将の中西郁人内野手（4年・東海大四）を労った。

決勝進出に沸く立教大スタンド＝神宮球場

★準決勝・東海大北海道vs立教大
東海大北海道　000000000=0
立教大　　　　100000000=1
【北】●太田−新井
【立】◯田中、中川−藤野

◎立教大・田中誠也投手
「マメの影響で5回くらいからボールが指にかからなくなってきましたが、低めに丁寧に投げることと、タイミングをズラすことを心がけました。明日は今できる最大限の準備をしたいです」

◎東海大北海道・太田将貴投手
「自分のピッチングができたことは良かったかなと思います。（立教大・田中とは）テンポとコントロールが自分よりかなり差があるなと思いました。秋はベスト4以上目指して頑張っていきたいです」

文＝高木遊
写真＝伊藤華子