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プロ野球

由伸監督 勝った~!けど変わらぬ鉄仮面 メークドラマへ「流れ変われば」

 ◇日本生命セ・パ交流戦 巨人2―1日本ハム(2017年6月9日 札幌ドーム)

<巨・日>やっと脱出!連敗を13で止めファンの声援に応える高橋監督

 やっと勝てた。巨人は9日の日本ハム戦で2―1と接戦を制し、83年を誇る球団史上最悪だった連敗を13で止めた。同点の5回に、坂本勇人内野手(28)が中堅フェンスを直撃する決勝二塁打。2試合連続で2番起用した高橋由伸監督(42)の期待に応えた。残り86試合、大逆転でリーグ制覇を成し遂げた1996年の「メークドラマ」発祥とされる北の大地から、今回も逆襲を目指す。

 16日ぶりの勝利だというのに、その表情はほとんど変わらなかった。ナインとのハイタッチを終えた高橋監督は浮かれた様子を一切見せなかった。

 「こうなる前から一つ勝つのは難しいと思っていたが、(改めて)難しさを感じた期間だった。一つ勝つのは大変だなと。流れが変わってくれれば」

 貯金3で迎えた5月25日の阪神戦から勝てなくなった。投手陣が序盤に失点し、攻撃のリズムをつくれない試合があった。先発が踏ん張っても、打線が援護できない。打線が先手を取れば、今度は救援陣が逆転を許した。

 球団史上ワーストの13連敗。就任1年目の長嶋監督が指揮して球団唯一の最下位に沈んだ75年の11連敗を更新し、借金は10まで膨らんだ。指揮官の精かんな顔つきも次第にやつれていった。

 2日のオリックス戦では、9回にマシソンが3点リードを守れず、延長11回の末に惜敗した。「監督になって初めて、全然眠れなかった。去年はこんなことはなかったのに」。長い夜を悶々(もんもん)と過ごしながら苦しんだ。

 それでも、選手の前では普段通りを貫いた。凡ミスが起こっても、チャンスで一本が出なくても、怒りで自分を見失わなかった。「本当に我慢強い」と周囲が口をそろえるほどだった。

 黒星がスタートしてから14試合で14通りのオーダーを組むなど試行錯誤は続いた。8日の西武戦では坂本勇を4年ぶりとなる2番に据えた。試合前に監督室に呼んで「スタイルを変えなくていいから」と告げた。思い切りの良さを消さなかった。そしてこの日も2番で起用すると、同点の5回2死二塁で初球打ちで中越え決勝二塁打を放った。「結果でしか示せない世界。選手が何とかしようと思っていたのは間違いない。時間はかかったが勝てて良かった」とナインの頑張りを称えた。

 長いトンネルは抜けたが、手放しで喜べる状況ではない。首位・広島とは12・5ゲーム差の5位。だからこそ「勝っても負けても次の日は次の日」と引き締めた。21年前の96年は、最大11・5ゲーム差をひっくり返して逆転優勝。「メークドラマ」と称された伝説は、7月の札幌円山球場での9連打から始まった。今年も課題は山積している。ただ、北の大地で13連敗を脱出したことに因縁を感じる。(川島 毅洋)

 ≪何かが起こる?巨人in札幌≫

 ☆1イニング10四球 78年7月6日の広島戦(札幌円山)=2回に角ら3投手で10四球。プロ野球記録の6押し出しで8失点など2―12で大敗。

 ☆激突でじん帯損傷 88年7月6日の中日戦(札幌円山)=飛球を巡り左翼・吉村が、中堅・栄村と激突。吉村は左膝じん帯損傷で全治6カ月以上の診断。

 ☆メークドラマの原点 96年7月9日の広島戦(札幌円山)=9連続安打のプロ野球タイ記録(当時)。これを機に最大11・5ゲーム差を覆しリーグV。

 ☆7年ぶり頂点 09年11月7日の日本ハム戦(札幌ドーム)=先発・東野が14球で負傷降板も内海が好救援。2―0で快勝し、02年以来の日本一。