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東海大北海道が3度目の正直で初4強。岐阜経済大・与座は好投も無念の敗戦【全日本大学野球選手権】

★北海道勢初の頂点へ壁突破

昨年、春秋連続で全国大会8強入りした東海大北海道キャンパスが、ついに8強の壁を破り4強進出を果たした。

初回から試合を動かした。先頭の中西郁人外野手(4年・東海大四)が二塁打で出塁すると、バントのミスはあったものの、相手のミスもあり2点を先制。さらに6番・有間裕亮外野手(3年・前橋工)がライト前に安打を放ち二者が生還し、さらに2得点。高橋葉一監督は「相手の先発投手が読めなかった中で、初回に4点は大きかったです」と振り返った。

先発のマウンドには、相手打線の特徴を見て高橋監督が「ストレートは130キロ後半だが変化球を同じ腕の振りで投げられる」という右腕・武澤龍矢投手(4年・東京成徳大深谷)を抜擢した。今春のリーグ戦での登板は3試合8回3分の1のみだった武澤だが、抜擢に応えるように躍動。「6回までよく投げられました」と高橋監督が応えるように、岐阜経済大打線を6回6安打2失点無四球に抑えた。

さらに7回からは、今大会でリリーフエースとなっている左腕・徳橋颯野投手(2年・武修館)が登板し、3イニングを無安打に抑えて、試合終了。東海大北海道キャンパスが3度目の正直で昨年の無念を晴らした。

一方、初出場の岐阜経済大は初回のミスが最後まで響いて、試合をひっくり返すことはできなかった。2回戦の石巻専修大で1安打完封を飾ったアンダーハンド右腕・与座海人投手(4年・沖縄尚学)は7回から4番手として登板し、3回1安打無失点と今日も好投。「打者に向かっていく気持ちや打者との駆け引きには手応えがありました」と今大会を振り返った。

またエースの役割とともに主将の重責も担ったが「チーム全体を見渡すように心がけたが、仲間の協力もあり苦労は少なかったです」と話した。

卒業後の進路についてはまだ未定とのことで、プロと社会人双方を視野に入

れているという。今大会でインパクトを残したアンダーハンド右腕に今後も注目したい。

打者の手元で、伸び上がるストレートと落ちるシンカーを武器に好投を続けた与座


★準々決勝・東海大北海道キャンパスvs岐阜経済大

東海大北海道 400000000=4
岐阜経済大 010010000=2
【北】◯武澤、徳橋−新井
【岐】●栄野川、花城、濱口、与座−山田
本塁打:岐阜経済大・下里《2回ソロ》

◎東海大北海道キャンパス・高橋葉一監督

「8強の壁をなかなか超えることができなかったので嬉しいです。全国狙えるチームを作ろうとしてきたので、まずは一歩近づけたかなという思いです」

今大会リリーフエースとして活躍を続ける徳橋が試合を締めた


文・写真=高木遊