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笠松悠哉「目の前の一戦を全力で」。立教大が 7 回に怒濤の攻撃で富士大に逆転 勝ち【全日本大学野球選手権】

★伏兵の一発が口火に

51年ぶりの出場となった立教大が苦しみながらも、初戦を突破し8強入りを決めた。

「手も足も出ない感じがしました」と溝口智成監督が振り返るように、富士大の先発右腕・加藤弦投手(4年・八重山商工)のキレの良いストレートとフォークのコンビネーションの前に、6回まで12三振を喫した。

だが7回、伏兵の一発が立教大打線を目覚めさせた。先頭の山根佑太外野手(4年・浦和学院)が逆方向のライト前へ安打を放つと、打席には大東孝輔内野手(4年・長良)。リーグ戦期間中は代打での起用が主だったが、指名打者制のある今大会で指名打者に抜擢された。

これまでの2打席では2三振していただけに、大東は「バントのサインが出るかと思った」というが、溝口監督は「大東にかけてみよう」とノーサイン。

この期待に応えるように大東は逆方向の右中間スタンドに飛び込む同点の2ラン本塁打を放ち同点に追いついた。これには富士大の豊田圭史監督も「2ランはイメージしていませんでした」と試合後に悔やんだ。

これで勢いに乗った立教大は、四球と内野安打でさらにプレッシャーをかけると、加藤の後を継いだ2投手が連続して四死球を与えて勝ち越しに成功。さらに4番・笠松悠哉内野手(4年・大阪桐蔭)が三塁線を破る二塁打で2人の走者を還した。さらにこの後も1つの押し出しがあり、立教大が一挙6得点を奪うビッグイニングを作り、試合を決めた。

試合後、笠松は「トーナメントはあっという間に終わってしまうので、明日以降はもっと積極的に戦いたいですし、相手投手の特徴ももっと早く共有しないといけません。いい勉強になりました」と反省を口にし、「目の前の一戦一戦を全力で戦い、東京六大学野球の代表として恥のないように、悔いのないように戦います」と、あらためて日本一への決意を語った。

7回に貴重な2点タイムリーを放った笠松(立教大)


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★2回戦・富士大vs立教大

富士大 000002000=2
立教大 000000600=6
【富】●加藤、上島、鈴木、村上、佐々木—小林
【立】◯田中−藤野
本塁打:立教大・大東《7回2ラン》

◎加藤弦投手(4年・八重山商工)

「今日は1回戦よりコントロールが良かったのですが、本塁打は中に甘く入ってしまいました。自分がしっかりしていれば勝てた試合なので悔しいです。次のステージでこれを生かしていきたいです」

7回途中まで13 三振を奪った加藤。大学2年冬にクリーニング手術を受けながらも、今春エース格に成長。卒業後は社会人野球で硬式野球を作る予定だ。


★準々決勝の組み合わせ(会場は神宮球場)

9:00 上武大vs和歌山大
11:30 九州産業大vs国際武道大
14:00 岐阜経済大vs東海大北海道キャンパス
16:30 立教大vs天理大
※6月8日(木)予定。雨天順延あり。

文=高木遊
写真=中村和也