- 大学野球
2017.06.06 13:25
四国学院大・小久保気がV候補・東北福祉大を完封!スカウトも素材を評価【全日本大学野球選手権】
★最後まで的を絞らせない投球
四国学院大のドラフト候補右腕・小久保気投手(こくぼ・きよし/4年・鹿児島玉龍)が優勝候補の一角だった東北福祉大を5安打完封し、四国地区大学野球連盟と四国学院大に全日本大学野球選手権で12年ぶりの白星をもたらした。
自身の野球人生で初めての全国大会で、名前の由来となっている「気宇壮大」(心意気、度量や発想が人並みはずれて大きいさま)に倣ったかのような投球を小久保が見せつけた。
「序盤は地に足がついていませんでした」と振り返るように、初回は1四球と2安打でピンチを迎えたが、森口潤捕手(3年・徳島科学技術)の盗塁阻止と2三振でピンチを脱した。
その後は「球が適度に荒れていたのが良かったかもしれない」と話すように、この日最速144km/h(自己最速は148)のストレートやシュート、フォークなどを上手く散らして東北福祉大打線に的を絞らせず、スコアボードに0を並べた。
好投に報いたい打線は7回裏、先頭の4番・水上由伸外野手(1年・帝京三)が二塁に内野安打を放つと、この打球を相手二塁手が悪送球、ややカバーに遅れた捕手も二塁へ悪送球すると、カバーのいない外野をボールが転々とする間に三塁へ進んだ。そして、次打者の古谷将也外野手(2年・大冠)が犠牲フライを放ち、貴重な先制点を挙げた。
直後の8回表には、一死二塁でクリーンアップを迎えるこの試合最大のピンチを背負ったが、3番の菊名裕貴内野手(4年・仙台育英)を139km/hのストレートで見逃し三振を奪うと、4番の楠本泰史外野手(4年・東北福祉大)にも厳しいコースを突いて追い込み、最後は134km/のストレートでライトフライに抑えた。
そして9回は3人で抑え、小久保は思いきりガッツポーズをした後、勢いよくベンチを飛び出してきた選手たちと喜びを分かち合った。
試合後、小久保は「打者だけでなく状況を考えて投球ができるようになりました」と大学での成長を語るとともに、「もっとコーナーや高低を使えるようになりたいです」と気持ちを引き締めることも忘れなかった。
☆楽天・福田功チーム統轄本部 副会長補佐
「小久保投手は、体がまだできておらず、変化球にも課題はありますが面白い素材。踏み出した左足をついた後にしっかりタメを作れるので、ストレートの質が良いですね」
★1回戦・東北福祉大vs四国学院大
東北福祉大 000000000=0
四国学院大 00000010X=1
【東】小野、大園、●鈴木、津森−笹谷
【四】◯小久保−森口
◎楠本泰史内野手(4年・花咲徳栄)
「ああいう場面で打つために練習してきましたが、自分がまだまだ甘かったです。チームのみんなに申し訳ないです」
文=高木遊
写真=寒川朋子