吉田大喜（よしだ・だいき）
●守備 投手 ●身長・体重 175cm・76kg
●生年月日 1997年7月27日 ●所属 日本体育大
●球歴 大冠高→日本体育大 ●出身地 大阪府 ●投打 右右

　今年、先発・中継ぎ・抑えあらゆる役割で好投を続けて、ドラフト上位候補に浮上を果たした好右腕。とにかく欠点らしい欠点が少ない。癖のないフォームから投じる最速150キロのストレートに加え、カーブ、スライダー、スプリットといった変化球も、すべてが制球・キレともに良く安定感は抜群だ。

　スカウトの1人が「球が強いし、フォームが崩れることなくバランスが良い」と語るように評価はうなぎ上りとなっている。

　大阪で生まれ育ったが中学では軟式、高校では府立校と、有力選手の主流とは異なる道で腕を磨いた。大冠高時代は並み居る私学強豪の中で4強に2度進出した。

　日体大では、辻孟彦コーチ（元中日投手）が「ギリギリのタイミングまで体が開かないし、下半身の力を上半身に伝えることも長けていた」と振り返るように、1年秋に初登板を果たすと、いきなり3勝を挙げた。

　1学年上の先輩である松本航（西武）の存在も大きく「こういう人がプロに行くんだな、と一緒に練習しているだけでも学ぶことができました。手を抜かず黙々とやっていました」と振り返る。

　2年時は右ひじ痛や、1学年上の松本と東妻勇輔（ロッテ）の好投が続いて登板機会は多くなかったが、その期間にもしっかりと力を蓄えた。

「自分の個性を生かした指導が多いので、自分の長けている部分も分かりやすくなりました」と、辻コーチの長所を伸ばす指導も着実な成長の後押しとなった。

　2人の先輩がプロへ羽ばたいた今年は、春に開幕投手を任されると、中盤以降は抑えとして活躍し防御率は1.23。夏には侍ジャパン大学代表にも選出。日米大学野球では全5試合で中継ぎとして終盤1イニングを任されて、自責点無し。MLB予備軍とも言える強力打線相手にも、力強いストレートを中心に、鋭い変化球も織り交ぜた自らの投球をできたことで、大きな自信を掴んだ。

　プロでの目標は「1年目から活躍したいですし、長く野球を続けていきたいです」と迷わず答え、「160キロを投げるとかではなく、結果を出し続ける投手になりたいんです」と息の長い活躍を誓う。

　どんな時もブレずにきっちりと仕事をこなす職人肌の投手として、強者揃いの世界でも大きな輝きを放ってくれそうだ。

文・写真＝高木遊