- 大学野球
2019.10.15 13:30
豪快かつ安定したフォームを手に入れた195センチの大型右腕 内沢航大(法政大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】
バレーボールをしていた両親の間に生まれ、身長は周りから頭一つ抜け出る195センチ。青森・八戸工大一高時代からプロ注目の大型右腕だった。
高校2年春からエースとなり県準優勝を果たすなど、度々際立つ好投を見せて上位進出に貢献していた。だが、高校の監督に勧められ法政大の練習に参加すると、周りのレベルの高さに圧倒され、大学でステップアップを積んでからプロを目指すことを決めた。
大学では1年春から登板し、秋には東大戦で初先発初勝利を挙げた。大柄ながら安定感があり将来を嘱望されたが、その後は苦しんだ。3年時は登板なしに終わり、4年春に東大戦で復活勝利を挙げるもピリッとしない投球内容が続いた。
そこで夏はフォーム改造に着手した。体の回転に合わせて、無理に上から投げようとしすぎるのではなく少し腕を下げて投げるようにした。秋までの短期間であり、オープン戦で打ち込まれて自信を失いかけたこともあったが、青木久典監督がマンツーマンで指導にあたったこともあり不調を脱した。
今秋は一つ目の大きなヤマとなった明治大戦で2試合続けて無安打で1イニングをピシャリと抑えるなど開幕6連勝と勢いに乗るチームの一員として状態を上げている。青木監督も「体の末端を上手く使えるようになりましたね。自信を持って身長を生かせている」と話すように豪快ながらも上手く体を使ったフォームに安定した。
内沢も「打者を見ながら投げられています」と話すように余裕が生まれているようだ。日本でも稀有な長身右腕が過去最高の状態で大学最終学年を戦っている。見据えるその先はドラフト指名と悲願の大学日本一だ。
文・写真=高木遊