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最速152キロのストレートと緩急で打者を翻弄するスリークオーター右腕 村西良太(近畿大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】

村西良太(むらにし・りょうた) ●守備 投手●身長・体重 174cm・72kg ●生年月日 1997年6月6日●所属 近畿大 ●球歴 津名高→近畿大●出身地 兵庫県●投打 右左

村西良太(むらにし・りょうた)
●守備 投手 ●身長・体重 174cm・72kg
●生年月日 1997年6月6日 ●所属 近畿大
●球歴 津名高→近畿大 ●出身地 兵庫県 ●投打 右左

 サイド気味のスリークオーターから最速152キロのストレートを投げ込む速球派右腕。スライダーやスプリットなどで緩急を使って相手打者を翻弄する投球が持ち味だ。

 淡路島の津名高では控え投手。それが近畿大に入学すると、高校時代よりも練習量が増えたことで実力がメキメキと向上した。1年秋には球速が6キロ伸びて149キロとなり、リリーフとして6試合登板と順調なスタートを切ったかのように見えた。

 しかし、その後は不調で2年春から3年春の3シーズンでわずか2登板。苦しい時期が続いたが、単位取得が好調だったこともあり、コンディショニングに時間を割けるようになると、状態が上向きに。オープン戦で結果を残して、3年秋にはリリーフエースの地位を確立。チームの神宮大会4強入りに大きく貢献した。

 最上級生となった今年はエースとなり、先発を任されるようになる。短いイニングを全力で投げるリリーフと違って、完投を見据えて投球を組み立てる先発との違いに苦しんだ。「先のことを考えて力を抜いてしまう」と立ち上がりに失点することが多い。それでもリリーフで磨いたピンチでの粘り強さを先発でも発揮している。

 3年生の頃から強いプロ志望を表明しており、この秋は「ドラフトもあるので、良いアピールできるようにしたい」と意気込んでいる。しかし、開幕戦で右手中指の爪が割れるアクシデントに見舞われた。翌週の登板で爪を気にする素振りを見せた村西に田中秀昌監督は「もっと闘争心を見せないとダメ」と注文をつけた。

 マウンドでの立ち振る舞いなどを見ていると、やや繊細な印象を受ける。「技術のある選手がプロに行くのだから、頭と心の勝負になる」と考えている田中監督にとってはその辺りが物足りなく感じているようだ。「プロに入るだけでなく、活躍することが目標」と話す村西だからこそ、もっと打者に向かって行く気持ちを見せてほしいと感じている。

 タイプ的にプロ入り後は再びリリーフを任される可能性が高い。そうなれば試合を左右する場面を任されることも増えてくるだろう。投げているボールはプロでも通用するはず。痺れる場面で強打者相手に強気で攻める投球を見せてほしい。

文・写真=馬場遼