- 大学野球
2019.10.10 13:00
通算25勝を挙げるリーグ無敵の最速154キロ右腕 杉山晃基(創価大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】
中学時代は東京の墨田ポニーで全国準優勝を果たすも、岩手・盛岡大附高では2年夏の甲子園ではベンチ外で、エース格となった3年夏は甲子園出場を逃した。それでも春季東北大会で創価大の堀内尊法コーチの目に留まると、進学後は東京新大学リーグで1年春から登板。今春までの7季で22勝1敗と他を圧倒する投球を続けてきた本格派右腕だ。
全身を使って勢いよく投げ込むストレートは最速154キロを計測する。変化球も落差のあるフォークに、緩いツーシーム、2種類のスライダー(鋭く曲がるもの・カーブのように緩く曲がるもの)を持つ。これらをどれもキレ・制球ともに良く投げ込んでいき、相手打者を抑え込んでいく。
一方で全国大会では過去2勝3敗と勝ちきれずに悔しい思いを重ねてきた。学生最後のシーズンとなる今秋はドラフト会議も当然気になることではあるが、目の前の試合に一戦必勝で臨んでいる。
近年リーグ優勝を争うことの多い共栄大との1回戦(9月21日)では1失点完投勝利。2対1の接戦を制した。この日は「勝つための投球を」と豪速球で押すのではなく、変化球主体で制球重視の投球を見せて抑えるなど投球の幅を広げた姿を見せた。
「体がすごく柔らかい。軸足も踏み出す足もブレておらずバランスも良い」(巨人・長谷川国男スカウト部長)
「スピードもあるしフォークも良い。体の力も十分。いろんな球種でストライクが取れる」(ロッテ・柳沼強スカウト)
このようにスカウトたちの評価も上々で、今秋のリーグ戦でも最終節を残して3勝0敗と好投を続けチームの2位以上確定に貢献。既に28日からの横浜市長杯(明治神宮大会関東代表決定戦)への出場を決めている。
あらゆる投球スタイルで相手を封じ込め、悲願の日本一とドラフト上位指名の両方をこの秋なんとか掴みたいところだ。
文・写真=高木遊