- 独立リーグ
2019.10.08 14:00
巨人・増田大輝の背中追う徳島県産「全力系」二塁手 平間隼人(徳島インディゴソックス)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 独立リーグ編】
今年、巨人のセ・リーグ優勝を決める決勝打を放った「ザ・ユーティリティー」増田大輝の系譜を継ぐ徳島インディゴソックスの「全力系」二塁手。海部郡牟岐町出身の「徳島県産」といった部分も増田と一致する。
そんな平間は牟岐若潮クラブで軟式野球を始め、牟岐町立牟岐中では軟式野球部のエースとして活躍。高校はスポーツ科学科を持つ鳴門渦潮に進み寮生活を過ごしながら最終学年では主将として夏の徳島大会決勝戦に進出。
1年生左腕・河野竜生(JFE西日本)がエースだった鳴門に敗れ準優勝に終わったものの、身体能力の高い強打強肩の遊撃手として鳴らした。なお、高校の同級生には元広島、現在は社会人・伯和ビクトリーズでプレーする多田(現姓:住吉)大輔捕手。準優勝した春の四国大会では現在、徳島インディゴソックスで二遊間を組む岸潤一郎(明徳義塾出身)とも相まみえている。
卒業後は四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスに入団。2015年の1年目は同年、巨人に育成ドラフト1位指名を受ける増田大輝の背中を見ながらリーグ戦の約半数にあたる33試合に出場し打率.313。2年目は主に遊撃手としてリーグ戦全65試合に出場し打率こそ.245に終わったが、四国アイランドリーグplus選抜の一員として参加した北米遠征では.328。現在につながる二塁手としても才能の一端を示した。
とはいえ、平間にとってこの5年間は決して順風満帆だったわけではない。3年目を終えると家庭の事情によりいったん引退。約半年間は電気工事士として一般職に就いた経験もあり、後期からチーム復帰した4年目も22試合出場で打率.269。NPB入りへ大きなインパクトは残せなかった。
しかし、NPB入りへ最後の勝負をかけた今季はオフシーズンから増田と自主トレーニングに取り組み、キャンプでも「一日20時間くらいやり続けた」という決死の練習で心技体すべてを向上させた。「増田さんからは刺激しかなかったし、守備も教えてもらった。居残り練習に付き合ってくれた橋本球史コーチとの増田さんの2人には本当に感謝している」と語る。その成果は、一塁駆け抜け4秒を軽々と切るスピードと堅実な二塁守備、そして過去4年間のリーグ戦通算盗塁「32」を大きく上回る43盗塁での盗塁王獲得につながった。
シーズン終盤には高校時代以来となる主将に就任。背中で引っ張るリーダーシップを体現し、「自分にプレッシャーをかけた方が結果が出る」と職人肌の一面も見せている。増田大輝と同じ舞台に立つ権利を手に入れる瞬間は、もう間近かもしれない。