- 高校野球
2019.10.04 15:00
打撃も守備もしなやかさ勝負 5年連続プロはなるか
韮澤雄也(花咲徳栄高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
2017年、夏に全国優勝した時は1年生で17番をつけてベンチ入りした。その秋からショートのレギュラーになって、今年でチームは5年連続、自身も3年連続で夏の甲子園の土を踏んだ。
花咲徳栄の先輩、同じポジションの根本俊一(元千葉ロッテ)を目標に挙げる。「ケガをしたのに、それを泣いて監督に謝った」という逸話がある選手を尊敬する。
今年の埼玉県大会、49代表の中で最高打率を記録した。韮澤はそんなチームの精神的支柱だ。
バッティングは柔らかくバットコントロールは巧みだ。そしてコンパクトに振り切る。
結果を残したのが2年夏の甲子園。5打数で2安打、4四死球2打点を記録する
2回戦、横浜戦でドラフト候補に挙がる及川の高めの140キロのストレートを中前に弾き返す先制打を放っている。練習試合で凡打に終わっていて、それ以来、タイミングを早く取るなど工夫をして、同じ及川を返り打った、と言うわけだ。
今年は2回戦で明石商に3対4で敗れるが自身は3打数1安打。2年生の速球投手、中森からレフト前ヒットを放って、チャンスを作った。
大会後のWBSC U-18ベースボールワールドカップの代表に選ばれる。
主に不慣れのファーストを守り、3番を任される。8試合中、7試合でヒットを放ちチーム最多の10安打を記録。打率3割4分5厘。そのシュアな打撃を評価され、ベストナインに輝いた。
代表選考合宿では内野も外野も守って器用さを示した。
「投手が打ち取った打球を確実にアウトにすることが守っている野手の務め」と言う。確実性重視。一つ一つの歩みが高みに上がる近道でもある。
それは育った環境にも影響されているだろう。雪深い新潟、魚沼市の出身。春の雪解けを一日一日、じっと待つ。美味しい米を消化しながら、心技体を培った。
「強豪校でショートを任されているということで、野球センスが光る。攻守走でバランスが取れている。プレー全般が柔軟。特に守り。逆方向に打てるのも柔軟性のあらわれでしょう」とスカウトが言うが、そういえば、花咲のショートは西川愛也(西武)など、しなやかな人が多い。
花咲徳栄は4年連続でドラフト指名選手を輩出してきた。韮澤がさらにその記録を伸ばすような気がする。
(文・清水岳志)