- 大学野球
2019.10.01 15:00
7球団が指名を検討か 高校時代バレー部の国立大左腕 松田亘哲(名古屋大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】
■7球団から調査書
高校時代はバレーボール部にいた異色の存在だ。中学までは軟式クラブでプレーしていたが、難関国立大の名古屋大に入学後、初めて硬球を握った。黒縁めがねはトレードマーク。愛知大学リーグⅢ部の最速148キロ左腕を、7月にはその経歴を中心に紹介している。
〔→記事はこちら 対戦相手やスカウトも唸る! 高校時代バレー部の最速148キロ左腕 松田亘哲(名古屋大4年)【Future Heroes vol.22】〕
9月までにプロ7球団から調査書が届いているという。地元・中日や、スカウト上層部がいち早く視察に訪れた西武のほか、楽天、オリックス、ソフトバンク、阪神、広島が指名リストに残しているとみられる。筆者の調べでは、今秋リーグ戦の開幕節に7球団(巨ヤ神広楽西ロ)、第2節に5球団(De中神西オ)、第3節に7球団(ヤ中広神日楽西)が集まった。
進路はプロ一本に絞った。支配下・育成枠を問わずプロへ挑む意志がある。ドラフトを前に取材も相次いでいる。報道陣のリクエストには楽しげに応えつつも、チームのⅡ部昇格へ向けたプレーオフを残しており「普段の練習など、ドラフト前でもやることは変わらない」と本人。グラウンドで汗を流しつつ、西洋経済史のゼミや、塾講師のアルバイトにも励む。
■フォームの追求、体重増、トレーニング
“元バレー部”の話題が先行するが、大学4年間でどのように野球の技量を上げてきたのか。素朴な疑問を投げかけてみた。
鍛錬の大きな柱は3つあった。フォームの追求、体重増(体づくり)、トレーニングだ。チームの全体練習は週5日で平日は3時間程度。キャンパスを出れば、師事するトレーナーのもとへ向かった。
フォームで意識するのは「軸足から前足(踏み出す足)へ、体重を全て乗せること」だという。横の回転で投げようとすると体が開きがちになる。軸足で蹴り、一気に前へ体重を乗せるイメージをもった。軸足で片足立ちし、ケンケンしながらまっすぐ踏み込むような動作を繰り返した。自他の投球動画を何度も見た。
体づくりは「ピッチャーは体重が大事だ」という思いが根底にある。1日5食とり、体重は入学時から20キロほど増えた。トレーニングは2年冬までは走り込みを中心にメニューを組み、3年冬からウエートトレーニングも取り入れた。1日に100回、相撲の四股踏みを重ね、お尻が大きくなった。
メディシンボールも重宝。遠くへ投げて一定の筋力をつけると、次の段階として「たとえ少ない力でも、いかにボールに力を伝えられるか」を意識し、効果的な体の使い方を身につけた。
高校野球をしていない選手のプロ入りとなれば、ロマンは相当である。使い減りがないためか、登板後のアイシングをしなくてもいいほど体も丈夫。その伸びしろは無限大だ。
文・写真=尾関雄一朗