9月29日、東京六大学野球の秋季リーグ第3週が行われ、慶大が2本塁打と森田晃介（2年・慶應）の1安打完封で連勝。開幕４連勝を飾り2点目の勝ち点を獲得した。一方、立大は投手陣が2失点で粘ったが開幕４連敗となった。

森田の成長には「夏場に見違えるようになった」と大久保監督も高く評価している

試合後に慶大・大久保秀昭監督が「今日僕は座っているだけでした」と笑ったように、投手戦の中の要所で各選手が持てる能力を遺憾なく発揮した。
まずチームに流れを呼び込んだのは、正木智也（2年・慶應）。甘く入った変化球を弾丸ライナーでレフトスタンドに運び先制に成功。前日は無安打に終わったが「調子が悪いわけではなかったので、打てる球を打つことだけを考えていました」と、引きずることなく貴重な一発に繋げた。
終盤まで1対0と緊張感が長く続く試合になっていたが、8回裏にケリをつけたのはプロ志望届を提出している慶大・中村健人（4年・中京大中京）。立大３番手・中川颯（3年・桐光学園）に追い込まれてからのインコースの球を上手く振り抜いて、レフトスタンドに運ぶダメ押しの本塁打を放った。

投げては先週の対東大2回戦に続く先発となった森田が「一人ひとりに集中して投げられました」と、立大打線から凡打の山を築いた。「外角のラインだけは間違えないように」と慎重かつ大胆に投げ抜き、許した安打は3回に山田健太（1年・大阪桐蔭）に打たれた1本のみ。見事な投球で立大打線を封じ、今季2勝目を挙げた。

同期の森田を援護した正木

■立教大vs慶應義塾大2回戦
立大 000000000=0
慶大 01000001X=2
【立】●手塚、中崎、中川-藤野
【慶】○森田晃-郡司
本塁打：慶大・正木（２回ソロ）、慶大・中村（８回ソロ）

◎慶大・中村健人（4年・中京大中京）
「右打者対右のアンダースローの投手の場面だったので、外の球を追いかけずにコンパクトに振り抜こうと、どっしりと構えました。次の法政戦（10月12日〜）は誰が見ても強い相手なので、隙のない野球をして勝負したいです」

文・写真＝高木遊