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加藤雅樹の重圧はねのける一打に小宮山悟監督も「よく打った」。勝ち点の行方は3回戦へ【9/29 秋季東京六大学野球 2回戦 明治大学 vs 早稲田大学】

9月29日、東京六大学野球の秋季リーグ第3週が行われ、早大が主将で4番の加藤雅樹(4年・早稲田実)の決勝打などで6対2と勝利し、明大との対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。

チームの春から続く43イニング無失点を止める一打を放った加藤

前日までの早大は開幕3連敗。しかもすべて完封負けという屈辱を喫していた。特に大黒柱でプロ志望届を提出した加藤は11打数0安打と絶不調だった。小宮山悟監督は「劇薬を投入するかもしれない」と話していたが、それは加藤を先発から外すことを意味していた。しかし、小宮山監督は「彼は背番号10(主将)なので、彼抜きで勝っても彼が死んでしまう」と、腹をくくって加藤の先発と4番での起用継続を決めた。
その期待に応えたのが両者無得点で迎えた5回二死満塁の場面。それまで2打席はチャンスで凡退していたが、「死にものぐるいでした」と、しぶとくセンター前に運ぶと、この打球を相手中堅手が後逸。「何が起きたか分からなかった」と話す加藤だが、腕を回すランナーコーチを見てダイヤモンド一周を全力疾走し生還。加藤含め4人の走者が還り、貴重な4点の先制点を得た早大がそのまま試合を逃げ切ることになった。

試合前には小宮山監督から「絶対に代えない。心中するから」と伝えられ、加藤は「嬉しかったです」と振り返る。意気に感じた思いをバットに乗せることができ、安堵の表情を浮かべていた。
一方で小宮山監督、加藤ともに「明日勝って勝ち点を挙げなければ意味はない」と3回戦(30日13時〜)へ気を引き締めていた。明大の先発が予想されるのはドラフト1位候補右腕の森下暢仁(4年・大分商)。それだけに、春と1回戦の雪辱に燃えている様子だった。

■明治大vs早稲田大2回戦
明大 000001010=2
早大 00004020X=6
【明】●伊勢、竹田、入江、長江-蓑尾
【早】○徳山、今西、柴田-小藤、岩本

◎早大・加藤雅樹(4年・早稲田実)
「際どい球に手を出さず甘い球を仕留めることができました。自分が引っ張らないといけない立場なのに、みんなに励まされて情けないですが、みんなの後押しで打つことができました。明日勝ってこそ今日の試合の意味が出てくるので、しっかりと準備します」

◎早大・小宮山悟監督
「(連続無失点が続き)苦しい空気の中で繋いで点を取ることができたのは大きかったです。加藤は背番号10の責任を背負う中でよく打ちましたね。1つ勝ってホッとするのが怖い。何がなんでも勝ち点を取りに行きます」

試合後「選手たちには“もう1度、森下くんと対戦できる喜びを噛み締めて欲しい”と伝えるつもりです」と前向きに話した小宮山監督

文・写真=高木遊