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HOT GAMES 藤田宗一が斬る『5月24日 ソフトバンク 対 千葉ロッテ』

HOT GAMES 藤田宗一が斬る『5月24日 ソフトバンク 対 千葉ロッテ』

 開幕から約二ヶ月が過ぎ、全チームが40試合近くを消化。早くもシーズンの3分の1を終えようとしている。セ・リーグはここにきて混戦模様に拍車がかかっており、パ・リーグは好調を維持しているチームもあれば、暗闇から抜け出せない球団も…。今回は、苦悩のシーズンを送る千葉ロッテについて、球団OBの藤田宗一さんに語ってもらった。

——藤田さん、開幕から40試合近くが経ちました。古巣のロッテが大変苦しんでいます…。

「厳しいシーズンになってしまいましたね。オープン戦が良過ぎたので、嫌な感じはしていたんですが、残念です。昨年はよかっただけに苦しいですよね」

——勝てていない要因はズバリ、どういったところにあるのでしょうか?

「まあまずは主力の怪我というのが春先は大きかったとは思います。打線でいうと角中がいないなか一ヶ月以上戦わなくてはいけなかった。投手の石川の離脱も一緒ですよね。中心で考えていた選手がいないというのはやっぱり厳しいですよ」

——厳しすぎるほどの戦いになってしまっています。

「そうですね。外国人選手の不振というのも非常に大きいですよ。デスパイネが抜けて、戦力的に厳しいかもと言われる中で、新しくきた助っ人選手があまり働けていません。あてが外れてしまっているわけですからね。なかなか代わりがいないポジションで結果が出ていないわけですから、他のチームとの差は出てしまいます。やむなしかな、と…」

——昨日の試合も、ホークスと競ってはいたのですが、最後は離されてしまいました。角中選手と石川選手が戻ってきたのですが…。

「いいところが出ていないわけではないんですけどね。復帰したての角中選手、石川選手に頼らなくてはいけないチーム状況が厳しいなあというところです。せっかく、ふたりが戻ってきたんですけど、チーム状況からかベンチが暗く見えますからね。OBとしては少し寂しいところです」

——主力が戻ってきても、簡単には状況は変わらないでしょうか?

「大地(鈴木選手)が頑張って盛り上げているようにみえますけど、まだ空気が重いかなと。角中選手や石川投手は自分から盛り上げていくようなタイプではないでしょうから、雰囲気がガラッとは変わらなかったように見えます」

——まだシーズンは3分の1程度です。変わるにはどんなことが必要でしょうか?

「徐々に、いい部分も出だしているとは思うんです。いい部分というか、らしい部分ですね。選手達も気づいていると思うんですけど、あくまでやるのは自分たちですから、1日1日、目の前の試合に向かっていかにプレーできるかが大事かなと。目先の一勝をチーム一丸になって取りに行くということを、誰かに言われるんじゃなく選手たちそれぞれが必死にやっていくしかないと思います」

——昨日はリリーフが打たれて敗戦でした。現役時代にリリーフとして活躍された藤田さん的には、いまのブルペンをどう見ていますか?

「いいものを持っている投手は多いと思います。ただ、昨日みたいな展開で、ルーキーに任せなくちゃいけないというのがそもそもきついですよね。リリーフは大事に使って欲しいなと個人的には思います」

——益田投手が2軍で調整するなど、こちらも戦力に苦しんでいる印象です。

「そうですね。特に益田投手は、抑えでの失敗が続いてしまい、中継ぎ降格の末の二軍落ちだったというのが気になっていました。」

——5月5日の試合で抑えに失敗し、その後、7日のゲームで敗戦処理として登板しています。

「5日の失敗の次の日、最終回に3点差だったんですよね。個人的には3点差なのであれば益田投手でいってほしかったという思いもあります。ただもちろん、負けが込んでいるのもわかりますから、しょうがないのかなと思うところはあるんですけど、それであれば、最初から二軍調整のほうがよかったかな…と」

——ピッチャーとしては難しい調整になりますか?

「そうですね。特に、抑えとしてやってきた投手がいきなり敗戦処理というのはなかなか難しいかなと。そこで打たれてしまった時はもっと自分自身を追い込んでしまいますからね」

——選手個人をみても、厳しい状況ですね。

「結果に出てしまっていますから、否定はできないですよね。先ほども話しましたが、まずは選手たちがまず、目の前の試合で勝つことに向かってやってもらうしかないですね。自分も18連敗を経験してますので、苦しい時の雰囲気はわかりますが、まずは自分がやるべきことをやって、チャンスだと思ってプレーしてほしいところです」


藤田宗一(ふじた・そういち)
球歴:島原中央高→西濃運輸→ロッテ→巨人→ソフトバンク→BCリーグ・群馬
NPB通算600登板の名左腕。ロッテ時代は勝利の方程式『YFK』の一角として君臨。WBCの日本代表としても活躍し、常に勝利をつなぐポジションで活躍を続けてきた。600登板全てがリリーフ登板の中継ぎのスペシャリスト。京都府出身。左投げ左打ち。投手。