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侍ジャパン

投げてこそ投手 佐々木が待望の世界デビューで真価を発揮する

 待ちに待ったと言うべきだろう。U18ワールドカップ(W杯)に参加している高校日本代表の佐々木朗希投手(3年=大船渡)が、5日から始まるスーパーラウンドでついに世界デビューを果たす。右手中指にできた血マメの影響で1次ラウンドの5試合は登板できなかったが、ようやく完治した。初めての国際大会で最速163キロを誇るスピードボールが披露される。

ブルペンでキャッチボールする佐々木(撮影・島崎忠彦)

 登板しなくても、その存在感は際立っていた。1次ラウンドの台湾戦で試合中にブルペン投球を再開すると、日米のスカウト、報道陣に観客も集まった。1メートル90の長身に加え、左足を大きく掲げるダイナミックなフォーム。高校時代から160キロを投げた大谷(エンゼルス)に匹敵する圧倒的なスケール感が、17歳にはある。今秋ドラフトで人気を二分する星稜の奥川でさえ「170キロに到達すると本気で思う」と、そのスピードボールを羨望のまなざしで見ている。

 今大会終了後に会見を開き、進路を表明する。これまで通り、「国内プロ1本」に絞っている佐々木にとって、「故障しそうなイメージ」を払しょくするマウンドになる。岩手大会決勝では投げずに終戦。国保陽平監督が故障防止を理由に連投させず、物議を醸した。体は成長過程。スピードを出せる大型投手になればなおさらで、指導者が細心の注意を払わなければならない。佐々木と同じ1メートル90を越す大谷も高校時代は成長痛に苦しんだ。9回を投げ切ることさえ少なく、成長痛はプロ1年目まで続いた。

 甲子園に行けなかった佐々木だが、目標をU18に切り替えて3日に一度のペースでブルペン投球を続けてきた。8月26日の大学選抜との壮行試合(神宮)では先発して初回を3人で片付け、2奪三振。DeNAのスピードガンで160キロを計測した。ところか、血マメが悪化して1回降板。一時は今大会の登板さえも危ぶまれた。

 ようやくの晴れ舞台。夏の甲子園大会で準優勝し、蓄積疲労で調整が遅れた奥川とともにスーパーラウンドで今大会初登板することになり「ピッチャーが2人もいないのは大変だったと思う。その中でみんながつないでくれた。結果を残して恩を返したい」と意気込む。4番の石川も「2人が投げることによって勢いが付く」と期待を寄せる。佐々木は甲子園で投げ抜いた奥川と違い、肩、肘は万全なはずだ。世界を圧倒するスピードボールを見せてほしい。(記者コラム・飯塚 荒太)