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プロ野球

高山4連勝打!対左でも変えず「矢野コーチのファインプレー」

 ◇セ・リーグ 阪神2―1中日(2017年5月17日 甲子園)

<神・中>8回2死二塁、高山は勝ち越しの適時二塁打をバルデスから放つ

 阪神・高山が17日、途中出場した中日戦(甲子園)で同点の8回に決勝の適時二塁打を放ち、チームを4連勝に導いた。

 今年の猛虎は日替わりヒーローが生まれる。これが強さの要因の一つだ。能見―バルデスの投げ合いで息詰まる接戦となったが、勝利を引き寄せたのは、8回の守備から途中出場していた高山だった。

 「あの打席が初めてだったので、初球からいこうと思っていました。少し詰まっていましたけど、風に乗ってくれて良かったです」

 集中力は極限だった。左腕・バルデスの初球134キロ直球を振り抜くと、打球はワンバウンドで中堅フェンスに達する適時二塁打。沸き上がるベンチに向かい、右手を突き上げて応えた。「あの場面で打てたことが大きい」。殊勲の一打に、自然と表情は緩んだ。

 意外な展開から「ヒーロー高山」は生まれた。8回2死一、二塁でマテオ投入と同時に左翼を中谷から高山に交代。金本監督が試合後、舞台裏を明かした。「(左腕の)バルデスがそのまま来るのは分かっていたけど、矢野コーチが“高山で行こう”ということで。矢野コーチのファインプレー。(自分の中では)江越かなと。バルデスは左打者はちょっとキツいかなと思って」。その時点で安打は右打者・原口の本塁打の1本だけ。矢野コーチの進言に、金本監督の決断に、高山も最高の結果で応えた。

 相手先発が左投手ならベンチスタート―。開幕前の好調さを考えると高山の現状を誰も予想できなかったはず。思うような打席が増えないもどかしさを高山自身も感じていた。「試合で凡打した打席の映像はもちろん見る。でも“ここを変えれば良くなる”っていう、はっきりしたモノはなかなか…」。打撃はわずかな感覚のズレや疲労、精神的な部分で、簡単に崩れる。スコアラーが用意してくれる映像を見直しても、明確な答えは見いだせなかった。

 そんな中でも感じる手応えはある。昨季中盤から、これまではトップを作った状態で構えていた。だが、9日巨人戦から「打ち方を変えた」。タイミングを取る際、構えた位置から一度バットを投手側に動かし、そこからまたトップをつくるフォームにした。

 「ずっと(バットを)最短距離で出したいと思っていて、そうしたらスムーズに出るようになった。その時その時の体の状態で変わってくると思うけど、今はしっくりきている」

 周囲が期待する姿にはまだ遠いが、その理想に少しずつ近づいている。

 チームは13年9月7日以来の貯金12とし、甲子園では6連勝。2位・広島が敗れ、ゲーム差を今季最大の2・5に広げた。高山が輝きを取り戻せば、さらなる快進撃の道が見えてくる。(巻木 周平)