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プロ野球

阪神・中谷、V3ランにほえた!大ファール直後の一発「気持ちが出ていた」

 ◇セ・リーグ 阪神8―1中日(2017年5月16日 甲子園)

初回2死二、三塁、中谷は先制の3ランを放ち、表情を緩ませて一塁ベースに向かう

 阪神は16日の中日戦(甲子園)に8―1で快勝し、3度目の3連勝で4年ぶりの貯金11へ伸ばした。打の殊勲は中谷将大外野手(24)だ。初回2死二、三塁から自己新の先制5号を左翼席へ。千金の決勝弾となり、秋山拓巳投手(26)の2438日ぶり完投勝利を後押しした。唯一、五分の星取りだった中日に4勝3敗とし、セ・リーグ5球団すべてに白星が先行。猛虎の快進撃は止まらない。

 昔から野球界でよく使われる「三振前のバカ当たり」ではなかった。初回2死二、三塁。4球目を捉えた一打は快音を残しながら左翼ポールを左へ切れた。場内のため息を誘った大飛球にも中谷は冷静だった。

 「前の球のファウルとか、そういうのは関係なく、チャンスだったのでなんとかしようと。結果が出て良かったです」

 直後の5球目、カウント2―2からの真ん中フォークを再び捉え、今後は文句なしで左翼席へ。会心の感触に確信があった。走りだしながら、「しゃー!」とほえた。「分からないです。気持ちが出ていたと思う」。本能から飛び出した叫びだ。

 「大きな当たりのファウルのあとで、より一層集中して打つことができた。打った瞬間、感触も良かったですし、何より先制できてよかった」

 昨季64試合出場で記録した自己最多4本塁打を今季35試合目にして早くも更新する5号。先制の一撃が決勝弾となり、猛虎を3連勝へ伸ばした。

 「同じ思いはしたくない…」。いまでも言葉を詰まらせるのは先月25日のDeNA戦(甲子園)だ。好調を買われて先発で送り出されながら4打席連続三振。しかも3打席目まではすべて3球三振だった。「やってしまった…と思った」。球場からの帰途。愛車の中で流れていた音楽も思い出せないほど落ち込んだ。

 引き寄せたチャンスを逃すわけにはいかない。本拠地の甲子園球場では試合後の室内練習場での素振り。他の若手とともに鏡と向き合い、バットを振り続けた。5月10試合で4発目。最近5試合に限れば、16打数7安打(打率・438)、3本塁打の上昇。悔しさから逃げなかったことが数字に表れている。

 7年目にして長距離打者の本領発揮。下積みの日々の苦しさを知るからこそ殊勲の余韻を断つように「とにかく必死なだけ。おごらず、結果を出せるようにやっていく」と最後まで表情を緩めなかった。

 貯金11は13年9月以来。中日に対して4勝3敗とし、5月半ばの途中経過とはいえ、セ・リーグ5球団すべてに白星が先行した。猛虎躍進を確信させる「セ界制圧」の中心には伸び盛りの若虎がいた。(巻木 周平)