東洋大vs國學院大1回戦

東洋大 000000002=2
國學院大 010000000=1
【東】飯田―西川
【國】山岡、宮内、小玉―横井
本塁打：國學院大・工藤《2回ソロ》
東洋大・田中（将）ソロ《9回ソロ》、中川ソロ《9回ソロ》

今季3勝はいずれも完投の飯田（東洋大）

　開幕2連敗ながらその後は4連勝と波に乗っている東洋大と、単独首位に立つ國學院大の一戦。

　先制したのは國學院大。2回に工藤陽平外野手（3年・前橋育英）のソロで1点を奪うと、先発した山岡就也投手（3年・広島新庄）が粘り強いピッチングでその先制点を守っていく展開。6回まで東洋大打線に毎回出塁を許すが、5度の併殺でピンチを乗り切っていく。

　そして9回、7回から山岡を救援した宮内崇匡投手（4年・土浦日大）が2死を奪い、続く打者もカウント2－2と追い込む。だが打者・田中将也内野手（4年・帝京）が5球目を振り抜くと、レフトスタンドへ飛び込む同点本塁打。昨春の國學院大戦以来となるリーグ戦2本目のホームランが土壇場で飛び出した。さらに続く中川圭太（3年・PL学園）もレフトスタンドへ突き刺さる本塁打で一気に勝ち越した。

　東洋大先発・飯田晴海（4年・常総学院）は今季初めてとなる本塁打を許したものの、國學院大打線をわずか4安打に抑える好投で今季3勝目を挙げた。

　これで東洋大は開幕2連敗の後5連勝となった。

　國學院大は2番手・宮内が一人の走者も許さないピッチングを続けていたものの、あと1アウトから痛恨の2者連続本塁打を浴びてしまった。

勝ち越しソロの中川（東洋大）はスタンドへガッツポーズを見せる

◎東洋大・高橋昭雄監督
「飯田は粘り強く放っていたので、このまま見殺しにするなと話しました。9回は『とにかく中川に繋げ』と言っていましたが、よく田中が打ってくれました。中川もよく打ちました。うちは４連勝しないと優勝はないですから、とりあえず國學院大を倒すことです」

◎同点ソロを放った田中将也内野手（4年・帝京）
「（9回のホームランは）監督に『最後くらい中川に繋げ』と言われて打席に入りました。追い込まれてから冷静になって、ボールの下っつらを思い切り振り抜いて、やれることはやってみようと思ってやった結果だったのでよかったです。ホームランをあまり打っていないので『アレ？』と。どこまで飛んだかは見ていませんでした。飯田が頑張って投げてくれていたので、負け投手にしてはいけないとずっとベンチで言い聞かせていました。優勝のことは考えずに相手に向かっていくことだけ、8連勝することしか考えていません」

◎勝ち越し本塁打を放った中川圭太内野手（3年・PL学園）
「ストレートを待っていました。自分で決めてやろうと思っていましたが、高橋監督が『ヒットの延長でいいぞ』と言って下さったので楽になりました。ホームランとは思わなかったので、三塁コーチを見て気づきました。これまでフェンス手前までだった打球が超えるようになったので、去年よりは飛んでいる気がします。
（チームとして併殺打が多かったが）併殺はしっかりしたスイングができていないから。それを4番の自分がしてはいけないと思い、しっかりスイングしようと思っていました。勝つことしか頭にありませんでした」

文・写真：山田沙希子