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高校野球

八戸学院光星 6点差ひっくり返されても逆転返し!智弁の魔曲も魔物も跳ね返す

 ◇第101回全国高校野球選手権大会 第7日2回戦 八戸学院光星10―8智弁学園(2019年8月12日 甲子園)

<智弁学園・八戸学院光星>初回2死、左中間に先制ソロ本塁打を放つ八戸学院光星・近藤(撮影・北條 貴史)

 2回戦4試合が行われ、八戸学院光星(青森)は智弁学園(奈良)に10―8で競り勝ち、春夏通算30勝目を挙げた。青森大会6本塁打の近藤遼一内野手(3年)が初回に左中間にソロを放つなど、5打数4安打4打点で打線をけん引した。また、宇部鴻城(山口)の岡田佑斗外野手(3年)は夏の甲子園では史上初の「1番・投手」として本塁打を記録。投げても3失点完投で、宇和島東(愛媛)を下した。

 衝撃音が銀傘に響いた。初回2死走者なし。近藤は初球、浮いたスライダーを見逃さなかった。左中間への豪快な先制ソロ。壮絶な打撃戦を制した18安打10得点の号砲だった。

 「打った瞬間、いったと思った。スライダーを狙っていたので強く振れた。チームに勢いはついたと思う」

 3回は中前適時打。6回も左翼線へ2点二塁打し7―1とリードした。だが、直後に7失点。00年夏の甲子園を制した智弁和歌山のチャンステーマとして話題になり、大量得点を演出する「魔曲」と呼ばれる「ジョックロック」が響く中で逆転を許し、流れは一気に傾きかけたが、近藤のバットがチームに勇気を与えた。

 8回は先頭で左前打して同点の生還。そして9回だ。2死一、三塁から敬遠されたが、続く途中出場の沢波が初球を一塁強襲の2点内野安打で勝ち越した。敬遠直後、沢波に「チャンスは技術うんぬんじゃなくて気持ちだぞ」と声を掛けた近藤は「打ってくれると思っていた」。実は沢波は青森大会から近藤のバットを使っていた。

 近藤は視力は2・0だが「目が疲れやすいタイプみたいで、ボールが揺れて見えることがあった」と夏の大会前にトレーナーに相談。ホットタオルを目の上に乗せるケアを開始し「凄くボールがよく見えるようになってびっくり」と就寝前の日課となった。3回に中越えソロを放ったプロ注目の遊撃手・武岡からは、青森大会2日前に助言を受けた。グリップをトップの位置で固定して構えていたが、昨秋までの腕を動かしてテークバックをとる形に戻した。甲子園出場選手では最多の地方大会6本塁打。高校通算28号を含む聖地での4安打4打点が、同校の春夏通算30勝につながった。

 地方大会チーム本塁打は出場校トップの15で、2位が12本の智弁学園。強打対決を制した。近藤は智弁学園のある奈良出身。「地元から離れているからこそ、特別な気持ちは人一倍。絶対に負けたくなかった」。また目に力がこもった。(春川 英樹)

 ◆近藤 遼一(こんどう・りょういち)2001年(平13)9月14日生まれ、奈良県桜井市出身の17歳。小2から野球を始めて捕手としてプレー。桜井西中では橿原ボーイズに所属、一塁手に転向。八戸学院光星では2年春から背番号13でベンチ入りし、2年秋から背番号3。1メートル75、90キロ。右投げ右打ち。

 ▼八戸学院光星・武岡(3回に自身甲子園初アーチの中越えソロ)(2回の)エラーを取り返そうと狙っていた。(U―12日本代表でチームメートの智弁学園・坂下から)“絶対に優勝せえよ”と言われた。