- プロ野球
2016.10.21 18:44
規格外の二刀流か、最後の舞台となるレジェンドか! 2016日本シリーズ見どころ
セ・パ両リーグとも、レギュラーシーズン優勝チームがクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、文字通りの頂上決戦となった今回の日本シリーズ。25年ぶりにリーグ制覇した広島と、最大11.5ゲーム差を逆転した北海度日本ハムという、ともに歴史的偉業を成し遂げた両チームの顔合わせとなった。
レギュラーシーズンの成績を見ると、両チームとも似通った数字を残している。89勝52敗2分けで勝率.631の広島に対して、日本ハムは87勝53敗3分けで勝率.621。得失点差を見ても、広島が684得点497失点で+187、日本ハムは619得点467失点で+152で、ともに投打のバランスが抜群にいい。両チームとも盗塁数リーグトップで、機動力を使えるのも特徴だ。
四半世紀ぶりの日本シリーズ出場となった広島は、チーム打率.271、同本塁打153が12球団トップ。特に1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩の上位打線は不動で、この同級生3人で作ったチャンスを、今季6年ぶりに100打点に到達し、得点圏打率.323と抜群の勝負強さを誇る4番・新井貴浩や、今季リーグ打率2位の.335、29本塁打と大ブレイクを果たした鈴木誠也などが返すのが得点パターンとなっている。
投手陣では、リーグ最多勝を争ったジョンソンと野村祐輔、メジャーから復帰後、2年連続2けた勝ち星を記録した黒田博樹が先発の三本柱となる。リリーフ陣では、勝ちゲームの7回以降を任される今村猛、ジャクソン、中﨑翔太の勝利の方程式は確立されており、他にも一岡竜司、大瀬良大地、九里亜蓮など、コマは揃っており、大きな不安材料はない。
前半戦は独走状態だったソフトバンクを逆転し、4年ぶりにパ・リーグを制した日本ハムは、12球団トップのチーム防御率3.06という投手力が光る。ミラクルを起こしたチームを象徴する存在と言えるのが「二刀流」大谷翔平で、投げては10勝4敗、防御率1.86、打者としても規定打席不足ながら打率.322、22本塁打と、長いプロ野球の歴史でも唯一無二とも言える存在となっている。
先発陣では、大谷の他にも増井浩俊、有原航平、高梨裕稔が、シーズンで2けた勝利を記録しており、他にも実績のある吉川光夫やメンドーサなども控え、先発陣の層の厚さでは広島を上回っている。リリーフ陣も、谷元圭介、宮西尚生、石井裕也、バースと多彩な顔ぶれが揃うが、今季21セーブを挙げた守護神のマーティンが左足首痛で離脱したのが、唯一の不安材料となっている。
打線では、登板のない日も野手としての出場が有力視される大谷を中心に、1番で打率.314、41盗塁を記録した西川遥輝、打点王に輝いた4番・中田翔に加えて、下位でも39本塁打でタイトルを獲得したレアードが控えるなど、息の抜けない顔ぶれが揃う。
絶対的存在になりつつある大谷を擁する日本ハムに対して、広島は日本シリーズ前に黒田が今季限りでの現役引退を表明し、チーム全体のモチベーションが上がっている。規格外の二刀流か、最後の舞台となるレジェンドか。いずれにしても、見ごたえのある頂上決戦になりそうだ。