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猛暑も歓迎!?令和の「夏男」は誰だ!?【NISSAN BASEBALL LAB】

  

 8月突入とともに全国184地点で気温35度を超える猛暑日を記録した日本列島。肌寒かった長梅雨の記憶を一瞬で失った中、ペナントレースはセ・パともに大混戦のまま1年で最も暑い季節を迎えた。

 その中で選手たちは、開幕直後の手探り、交流戦での賑わい、さらにオールスターも終え、いよいよ本当の実力が問われることになる。同時に、疲労蓄積、夏バテと体調管理が難しい時期であり、特に投手にとっては過酷な時期になる。そして毎年、この時期に爆発する「夏男」がいる。

■昨年8月に大暴れした選手は?

 昨年の「夏男」は誰だったのか。昨年8月の月間安打数(表1)で振り返ると、ビシエドが計47安打を放って打率.465を記録。この47安打は月間安打数のセ・リーグ新記録で、月間8度の猛打賞はプロ野球タイ記録だった。さらに鈴木誠也も月間41安打を放って打率.414の好成績を残した。

 昨年8月の月間本塁打数(表2)を見ると、鈴木と中村剛也の2人が大爆発。ともに計12本塁打を放ち、チームの快進撃を支え、9月のリーグ優勝へと繋げた。その他、打率.275、11本塁打をマークしたソト、 打率.347、10本塁打をマークした丸佳浩(昨季まで広島東洋、今季から読売巨人)、打率.316で9本塁打の筒香嘉智なども、昨季は「夏男」として存分な働きを見せた。

表1、表2

■最近3年間の8月成績を見ると…

 昨年8月のビシエドは止められなかった。しかし、そのビシエドは、2016年の8月は月間8安打0本塁打で打率.216と低迷し、2017年の8月は14日の試合で死球を受けて右腕を骨折し、そのままシーズン終了。過去3年間をトータルで見ると、まだ「夏男」とは言い切れない。

 その事実を踏まえて最近3年間の8月の成績を振り返ると、安打数(表3)では浅村栄斗(昨季まで埼玉西武、今季から東北楽天)が38安打、31安打、35安打と安定した働きで計104安打をマーク。それに続くのが、丸と坂口智隆で計99安打。鈴木は2017年の8月22日の試合で右足首を負傷して残りのシーズンを棒に振った影響で計93安打止まり。代わりに秋山翔吾が4位となっている。

 2017年の8月に離脱して安打数では5位となった鈴木だが、本塁打数では昨年の12本塁打が効いて3年通算24本塁打で見事にトップ(表4)。同じくバレンティン(東京ヤクルト)も計24本塁打を放っており、「夏男」としての資格十分の爆発ぶりを見せている。

 さらに山川穂高、筒香嘉智、デスパイネと言った面々も、暑さの中で安定したパフォーマンスを続けて本塁打を量産。今年の8月の活躍も大いに期待できるだろう。

表3、表4

■令和初の「夏男」は誰になる?

 それでは今年の8月も“彼ら”に期待なのか。7日の試合を終えた時点での成績を見ると、安打数(表5)ではルーキーの近本光司と新外国人のマーティンの2人がトップで、3位以下もフレッシュな名前が続く。同じく本塁打数(表6)を見ても、トップが福田永将と村上宗隆の2人。特に村上は高卒2年目の19歳という若さだ。

表5、表6

 近年の8月のセ・パ両リーグの月間MVP打者部門を振り返ると、2014年が山田哲人と松井稼頭央、2015年が山田哲人と柳田悠岐、2016年が菊池涼介と浅村栄斗、2017年が筒香嘉智と山川穂高、2018年がビシエドと中村剛也だった。まだ8月は半月以上残っているが、令和初の夏に爆発するのは誰か。新たな時代に、新たな「夏男」が誕生するのか。白熱する優勝争いとともに、今年の夏を盛り上げる男たちに注目したい。