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プロ野球

ロッテの苦労人 三家“肝っ玉”プロ1号!持ち続けた野球への情熱 戦力外でバイト経験も夢かなえた

 ◇パ・リーグ ロッテ9-4日本ハム(2019年7月21日 札幌D)

ファンの声援に応える三家(左)とマーくん(撮影・高橋茂夫)

 一度、全て失った男に怖いものはない。初回に4点を先制し、なお2死一、三塁。2年ぶり2度目の先発出場となったロッテ・三家の肝は据わっていた。「(直球も変化球も)全部いったろう」と左腕・堀のスライダーを強振。広い札幌ドームの左翼席に消えたプロ初アーチは大きく突き放す3ランとなった。

 「感触がなくて夢中で走った。初めてのホームラン。これを何回も味わえたら最高やと思います」。初回は10人攻撃で7得点し、札幌ドームの2年越しの連敗を10で止めた。

 11年育成ドラフト4位で広島入団。だが、1年目の秋に右膝を手術し、2年目に戦力外通告。野球への情熱は消えず、独立リーグ2球団を渡り歩く。「プロに戻りたかったけど、戻れるのか…」。不安を抱えながら、オフは引っ越し業、食品工場のアルバイトで食いつないだ。追い続けた夢は16年オフのテスト合格で現実になった。

 昨季まで2年間で出場はわずか4試合。両打ちで右打席が課題と言われ、1月にソフトバンク・内川の自主トレに参加し、弟子入りした。もちろん面識はなかったが、思い切って飛び込むと最短距離でバットを出すことを徹底的に教わった。「少しずつ、はまってきた」。勇気を持って踏み出した一歩が形になり、右打席で記念すべき一発を放った。

 同じ独立リーグ出身の角中がプロで最初につけた背番号61を継承した。その角中が19日の右腕への死球の影響で欠場。三家を先発起用し、監督通算100勝を達成した井口監督は「チャンスをものにしてくれた」と連敗を4で止めた苦労人を称えた。「MIKE」と表記するが、読みはマイクではない。三毛猫のTシャツを愛用する25歳が、広島入団から8年目で報われた。(福浦 健太郎)