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侍ジャパン

雄星「めっちゃ気持ちいいっす」19年ぶりスミ1安打完封&12K

 ◇パ・リーグ 西武9―0日本ハム(2017年4月21日 メットライフドーム)

<西・日>9回、気迫の表情で150キロ超えを連発する菊池

 19年ぶりの快挙だ。西武・菊池雄星投手(25)が21日、日本ハムを相手に1安打12奪三振で自身4年ぶり、チームにとっては今季初の完封勝利。初回先頭打者に許した1安打だけでの完封は、98年横浜(現DeNA)の川村丈夫以来で史上12人目となった。2勝目を挙げたエースの快投に加え、打線は秋山翔吾外野手(29)の2本塁打などで9得点。投打の歯車がかみ合ったチームは、連勝で今季最多の貯金3とした。

 大歓声を浴びて引き揚げた後の囲み取材。2度のくしゃみをした菊池は苦笑いを浮かべた。

 「試合が終わって、初めて花粉が出ていたことに気づいた。アドレナリンが出ていたのかな」

 144球の熱投で12奪三振。安打は初回先頭の西川に許した右前打の1本のみと、圧巻の投球だった。8回を終えて131球でも続投を志願し、9回は150キロ以上を6度計測。打率リーグトップの近藤も152キロの直球で見逃し三振に仕留めた。「スミ1安打」での完封は史上12人目で、球団初の快挙。「めっちゃ気持ちいいっす。ノーヒットじゃないからこそ気楽に投げられた」と謙遜したが、試合前のミーティングで首脳陣に誓った完投を最高の形で有言実行した。辻監督は「雄星ナイスピッチング!(試合途中も最後まで)いくと言っていた。気持ちが出ていた」と称えた。

 完封は13年6月12日の中日戦(西武ドーム)以来。直球、スライダーに依存した当時の姿はもうない。昨オフから取り組んだ新球のフォークすら「いいところに落としても(打者が)崩れない」と、この日は封印した。代わりに駆使したのは、前日の朝にひらめいたチェンジアップだ。4回はレアードから空振り三振を奪い「(春季)キャンプでも一球も投げていないがうまくいった」。緩いカーブもウイニングショットになり、5回は横尾を空振り三振させた。多彩な球種で相手打者に的を絞らせなかった。

 エースの自覚は行動に表れている。左手の中指のマメができやすく、緊急降板することもあった。「チームに迷惑を掛けるので」と体質改善に取り組み、今年から創傷治療があると言われている「卵殻膜」が配合されたサプリメントを積極的に摂取するようになった。

 高校時代に練習試合で対決、プロでも昨季の公式戦初対戦で火花を散らした好敵手の姿にも刺激を受けた。侍ジャパンの4番を務めた筒香に密着したTBS系列ドキュメンタリー番組「情熱大陸」を観賞。「同学年なのに意識が高くて素直に凄いと思った。使うバットへのこだわりとか、ホテルに目標を書いたメモを貼っていたり。僕ももっとしっかりしないと」と気持ちを新たにした。

 「早い展開でたくさん点を取ってもらったので楽に投げられた。1、2点差の試合でいかにできるかだと思う」。満足するのは一瞬。絶対的大黒柱の理想は高い。 (平尾 類)

 ▼西武・炭谷(菊池は)7回にバテたけど気合を入れて投げてくれて良かった。雄星で勝つとチームに勢いが出る。

 ≪球団初 川村丈夫以来≫菊池(西)が初回先頭の西川に許した右安打だけで完封。初回先頭打者に打たれた1安打だけの完封勝利は、98年4月3日阪神戦の川村(横)以来史上12人目。パでは72年8月19日阪急戦の野崎(南海)以来45年ぶり3人目で球団初の記録になった。また、自身の1安打完封は13年6月12日の中日戦以来2度目だが、前回の安打は9回1死からと今回とは対照的な無安打無得点目前でのものだった。

 ≪2桁奪三振の完封勝利は初めて≫この日は12奪三振。ゲーム2桁奪三振は昨年6月14日の広島戦(11奪三振)以来8度目で、完封勝利は4度目だが、2桁奪三振の完封勝利は今回が初めてだ。