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プロ野球

ロッテ 16年ドラ1佐々木千隼 656日ぶり復活星「ちょっと泣きそうです…」

 ◇パ・リーグ ロッテ6―1日本ハム(2019年7月9日 ZOZOマリン)

お立ち台で涙をこらえる佐々木(撮影・森沢裕)

 656日ぶりの勝利に心が揺れた。ロッテ・佐々木は「ちょっと泣きそうです…」と声を震わせると、お立ち台で目を潤ませた。7回5安打1失点。新人の17年9月21日・西武戦以来の白星は格別だった。

 初回2死一、二塁のピンチを招いたが、右肘を気にせずに腕を振った。1軍登板自体が642日ぶりだ。「最初は緊張したけど投げているうちにほぐれた」と、王柏融(ワンボーロン)を129キロのシンカーで二ゴロに仕留めた。

 5回は先頭打者を出したが、清水を三ゴロ併殺。清宮からは内角への140キロ直球で見逃し三振を奪った。6回に近藤にソロ本塁打を許したのが唯一の失点だった。

 桜美林大4年時に、首都大学野球リーグで巨人・菅野が東海大時代に記録した年間7完封に並んだ。都立高出身で無名の右腕は一躍脚光を集め、16年ドラフトでは外れ1位で史上最多5球団が競合。1年目は4勝を挙げたが「痛みがなくなるなら」と、昨年7月6日に右肘の関節鏡視下遊離体除去術を受けた。

 本格的な投球再開まで長くても5カ月のはずだった。「右手で歯磨きも頭も洗えなかった。食事も角度によっては痛みが走ることもあった」。1センチの骨片を取り除いた結果、復帰に10カ月を要した。

 「長かった」が本音だが、その価値はあった。井口監督は「(佐々木)千隼は入ってくる」と後半戦の先発ローテーション入りを明言。佐々木は「チャンスを頂いたところで勝ちを積み重ねたい」と前を向いた。復活の右腕が、前半戦を負け越したチームの救世主になる。 (君島 圭介)

 ≪先輩アンジャッシュとの約束守った≫泣きの一年だった。今年1月にチバテレビ「白黒アンジャッシュ」の収録で佐々木は都日野の先輩アンジャッシュに懇願した。「ケガをしたのであと1年待ってください」。それは1年前の約束だ。「2桁勝利&規定投球回」を達成しなければ、2人と漫才をする「罰ゲーム」があった。

 ただ、昨年7月に右肘手術を受け、18年は未勝利。今年1月時点で実戦復帰のメドは立っておらず「今季、2人に満足してもらえる投球をする」にノルマを修正した。渡部と児嶋は快諾した上「球場でトンボがけする」「売店で背番号11のユニホームだけ売る」と体を張ったご褒美を約束。この夜の快投は先輩2人も納得する復活劇だったに違いない。