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プロ野球

イチロー「そりゃうれしい」1040日ぶりシアトルは総立ち歓迎

 ◇ア・リーグ マーリンズ1―6マリナーズ(2017年4月17日 シアトル)

<マリナーズ・マーリンズ>イチローの第1打席、ファンは総立ちで迎える(AP)

 背番号51がシアトルに帰ってきた。マーリンズのイチロー外野手(43)が17日(日本時間18日)、古巣マリナーズ戦で温かい歓迎を受けた。凱旋はヤンキース時代の14年6月12日以来、1040日ぶり。試合前には昨季達成した3000安打の祝福セレモニーが行われ、「9番・左翼」で今季2度目の先発出場。3打数無安打に終わったが、守備で沸かせた。

 3回。セーフコ・フィールドのファンが総立ちで第1打席に入る男を迎えた。鳴りやまぬ拍手。イチローは屈伸を繰り返し普段と変わらぬルーティンでバットを構えた。「え?それ以外に何がありますか?」。ポーカーフェースの美学を貫いた場面について聞かれ「いやあ、それ(声援に応えるしぐさをすること)は違うでしょう」と、穏やかな表情で振り返った。

 11年半プレーした古巣で催された試合前の3000安打セレモニー。エドガー・マルティネス打撃コーチ、エースのヘルナンデス、岩隈ら、かつての同僚が出迎えた。「うれしかったですね。一緒にやっていた選手があんなふうにしてくれたらね」。帽子をかざし、謝意を表した。

 全打席で「イチロー・コール」が起こる中で3つの内野ゴロ。今季は15打数1安打で打率は・067となった。一方で、守備ではこの球場936試合目で初めて就いた左翼で8回、フェンス際の大飛球をジャンピングキャッチ。ファンを喜ばせた。ただ、本人の思いは少し違う。「いい球場だし、雰囲気もいいですよね。でもやっぱり景色が違うから、レフトで。本当はライトでね」。かつて「エリア51」と呼ばれた聖域を懐かしんだ。

 その右翼後方の観客席では「イチ・メーター」でおなじみのエイミー・フランツさんが陣取り、三塁側には「お帰りなさい・イチロー」のボードを掲げるファンもいた。移籍から約5年が過ぎ、3年ぶりの球場帰還にも変わらぬシアトルの熱量。「忘れられていてもおかしくない年月ですから。あんなふうに迎えてくれたら、そりゃうれしい」。率直な感慨が口をついて出た。(シアトル・笹田 幸嗣通信員)

 ≪マリナーズ時代は左翼一度もなし≫イチローは米移籍後、右翼で1843試合、中堅で296試合、左翼で75試合に先発出場。しかし、マリナーズ時代のレギュラーシーズンではセーフコ・フィールド以外の球場や途中出場も含め、左翼を守ったことが一度もなかった。初めて務めたのはヤンキース移籍後、12年8月1日のオリオールズ戦。

 ▽イチローが前回出場したマリナーズ戦 ヤンキース時代の14年6月12日で、7回の右翼守備から出場し9回に中前打。直前の打者ジーターが同年限りでの引退を表明しており、シアトルでの最終打席だったため、凡退後も総立ちの拍手が注がれ「やりづらいわー。(オリックス時代に)僕の後ろを打っていた福良さんの気持ちが分かった」と苦笑いした。

 ≪イチローのセーフコ・フィールド名場面≫

 ☆デビュー戦で初安打(01年4月2日アスレチックス戦)開幕戦の7回に2番手のマシューズから中前へメジャー初安打を放った。「一生忘れない。最も特別な日」。

 ☆祈りのV(01年9月19日エンゼルス戦)地区優勝決定。シャンパンファイトはせず、11日に発生した中枢同時テロの犠牲者へ祈りをささげ「喜べるのか複雑だった。でも、良かった」。

 ☆シスラー超え(04年10月1日レンジャーズ戦)3回に中前打を放ち、年間257安打の大リーグ記録を84年ぶりに塗り替えた。「僕の野球人生で最高に熱かった」。

 ☆あっぱれ(09年4月16日エンゼルス戦)4回に右前打し張本勲氏(スポニチ本紙評論家)の日本プロ野球記録を日米通算で更新する3086本目。「いい景色でしたね」。

 ☆トレード即(12年7月23日)「環境を変えて刺激を求めたい」とヤンキースに志願の電撃移籍。早速、マリナーズ戦に「8番・右翼」で先発出場し、初打席で中前打。