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大学野球

【大学野球熱視線】侍ジャパンコンビの活躍で上武大4連勝。
他にも“掘り出し物”の好素材揃う集う関甲新学生野球

★好調の原動力

4季連続で春秋の全国大会4強入りを果たしている上武大。4月1日に開幕した関甲新学生野球の春季1部リーグでも総合力の高さを見せて、開幕4連勝と上々のスタートを切った。

16日、17日にハードオフエコスタジアム新潟で行われた作新学院大戦で躍動したのは、昨年行われた日米大学野球で侍ジャパンのユニフォームに袖を通し、今季も侍ジャパン大学代表候補に名を連ねている島田海吏(4年・九州学院)と吉田高彰(3年・智辯学園)の2人だ。

島田海吏と吉田高彰(上武大)


まず先陣を切ったのは、1番・中堅手の島田。1回戦は初球をレフト前に運び、2回戦は粘って四球を選び、初回に先頭打者として出塁。すると2試合ともに初球から盗塁を敢行。難なく二塁を陥れると、後続の打者の安打で無死のまま、先制のホームを踏んだ。

陸上選手だった両親ゆずりの俊足は、昨年の代表メンバーの中でも50m5秒75(手動計測)とトップタイムを記録した。今年は開幕2戦目の新潟医療福祉大戦でも本塁打を放つなど打撃も好調だ。

島田海吏(上武大)


一方、吉田は1回戦でレフトスタンドに飛び込む本塁打で追加点、2回戦ではセンターオーバーの三塁打で決勝点を挙げた。守っては、2試合で6人の投手陣を操り、チームの連勝を攻守で導いた。

「初球から積極的に行くつもりでした。ただ、牽制に引っかかったミスがあり反省しています」(島田)、「強いチームではないので慢心せず全員で戦いたいです」(吉田)と、2人とも勝って兜の緒を締める様子だったが、彼らが2013年春以来の日本一を目指すチームの原動力になっていることは間違いない。

さらに上武大は17日の2回戦で、6回からドラフト候補左腕・石井将希(4年・桐生第一)が今季初登板。140km/hを超えるストレートとキレの良いスライダーなどの変化球を武器に3回を1安打無失点に抑えた。石井自身が「何回も失敗してきた投手。ラストチャンスだと思っています」と語る背水のシーズンで幸先の良いスタートとなった。

吉田高彰(上武大)


★右のスラッガー候補

上武大の全国大会での活躍に引っ張られるように、どのチームも全力疾走を怠らず、個性の強い選手や高校時代に無名だった選手(弱小校出身や強豪校の控えなど)が急成長を遂げるのも、関甲新学生野球の大きな魅力となっている。

昨年は、高校時代には全国的に無名の選手だった大山悠輔(白鴎大→阪神)、中塚駿太(白鴎大→西武)、笠原祥太郎(新潟医療福祉大→中日)、狩野行寿(平成国際大→DeNA)の4選手がドラフト指名され、今季からNPBへ活躍の場を移している。

昨年に比べ4年生のドラフト候補は多くないが、3年生に面白い素材が何人もいた。

新潟医療福祉大は今季からエースを務める最速150km/h右腕・漆原大晟(3年・新潟明訓)が1年秋のリーグ戦で11者連続三振を奪うなど注目されてきた。その漆原に加え、17日の2回戦・関東学園大戦では9回1死から右腕・齋藤央兆(さいとう・ひろき/3年・糸魚川白嶺)が登板。躍動感のあるフォームから、自己最速となる147km/hのストレートを視察に訪れていたスカウトの前で見せ「まだ、こんなのいたんだね」と驚かせた。

打者では関東学園大の外野手・武藤健(3年・小鹿野)が今後の成長次第では、楽しみだ。186cm85kgの右打ちで、1回戦では死球で負傷退場したが、2回戦ではレフトフェンスに直撃する力強い一打を放った。阪急・オリックスで中継ぎ投手として活躍した関東学園大・谷良治監督は「逆方向にも打てるので、あとは打球の角度が上がってくればいいですね。まだライナー性すぎるところがあるので」と期待を込めた。

今春も上武大が頭1つ抜けている印象はあるが、5校も着実に力を付け、混戦も予想されるリーグ戦の行方を今後も注目していきたい。

恵まれた体格を生かした打撃が武器の武藤健(関東学園大3年)


文・写真=高木遊