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プロ野球

ヒーローになれなくても…DeNA戸柱、チームを陰で支える地道な努力

 4月14日のDeNA―ヤクルト戦(横浜)。1―1の4回2死一塁で、DeNA・戸柱が打席に立った。石川の初球の甘く入ったカットボール捉え、右翼フェンス直撃の勝ち越し適時二塁打を放った。塁上でガッツポーズした27歳は「初球から積極的に振っていこうを打席に入った」とコメントした。

<D・ヤ4>4回2死一塁、右越え適時二塁打を放ったDeNA・戸柱

 このままの展開であれば、2年目にして初めてハマスタのお立ち台に上がるはずだった。記者も戸柱のヒーロー原稿を書こう、と準備を始めていた。だが、そうはならなかった。試合は延長戦までもつれて10回裏にサヨナラ勝ち。その日は決勝打を放った白崎とサヨナラのホームを踏んだ関根がヒーローに選ばれた。

 ルーキーイヤーの昨季は正捕手として124試合に出場。だが、意外にも1度も「お立ち台に上がったことがないんですよ」という。球団初のCS進出を果たしたチームの立役者だが、「女房役」という言葉の通り、陰からチームを支え続けてきた。控えめな性格。「僕なんかはお立ち台には上がらなくていいんです」とも続けた。

 1年目から続けていることがある。チームがオフとなる月曜日。通常は横浜スタジアムで先発陣のみの指名練習となるのだが、必ず戸柱は球場にやってくる。ウエートトレーニングをして、バットを振り込む。「家にいてもやることがないもん」と照れ隠しの冗談を口にするが、試合に向けたコンディショニングのため。以前に「身体を休めない方が状態がいい」と話していたことがあった。

 そしてもう一つ、理由がある。「こういう日の方が先発陣と話しができるから」。試合前練習では投手と野手で別メニューが組まれるため、接する時間が限られる。だからこそ、月曜日に先発投手陣が練習しているハマスタに足を運ぶ。バッテリーとしてコミュニケーションをとることを大切にしているからだ。

 2年目とは思えない落ち着きぶりで若い先発陣をリードする27歳。その陰には人には見せない努力がある。そんな選手だからこそ、担当記者として強く思う。今季こそ、ハマスタのお立ち台でスポットライトを浴びる姿が見たい。(記者コラム・中村 文香)