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プロ野球

巨人・阿部 セ最多タイ3度目V打 打点独走19「待っていた」

 ◇セ・リーグ 巨人2―0中日(2017年4月16日 ナゴヤドーム)

<中・巨>7回無死二塁、右前に先制適時打を放つ阿部

 巨人は16日、中日を2―0で下し、3カードぶりのカード勝ち越しを決めた。0―0の7回に阿部慎之助内野手(38)が右前へ決勝適時打。今季3度目のV打点はリーグトップタイで、5本塁打とともに19打点はリーグ2冠。右足の上げ幅を少なくし、確実性と勝負強さを兼ね備えた4番打者がチームを再び上昇気流に乗せる。

 阿部が、まるでハンターのように狙った獲物を仕留めた。0―0の7回無死二塁。吉見は初球から5球続けて外角球を投げたが振らなかった。「なかなか打てる球が来なかった。待っている球が来るまで我慢できたのが良かった」。フルカウントからの6球目が「獲物」の内角球だった。

 2回の第1打席で、同じコース、球速の直球を見逃し三振に打ち取られていた。だからこそ、我慢をしながら集中力を研ぎ澄ましていた。外角に一切手を出さず、142キロの直球を力いっぱい引っ張った。打球は鋭く右翼線へ。均衡を破る先制の適時打が決勝打となった。「最後のインサイドにうまく反応できた。ずっとあのへんを待っていた」。狙い澄ました4番の一打を、高橋監督も「一球の勝負をかけたのかな。ああいう球をはじき返す技術はさすが」と絶賛した。

 チームは首位と3ゲーム差の3位だが、阿部は5本塁打、19打点でリーグ2冠に君臨する。得点圏打率は・450。走者なしの場面の・091とは別人の勝負強さを示している。V打はリーグトップタイとなる3度目。「今は打点を一番大事にしている」。本塁打を量産した開幕直後に比べ、打席での右足の上げ幅は小さくなった。軸をぶらさず、確実にヒットゾーンに打球を飛ばす。打撃フォームの微調整が打点増につながっている。

 11日からの広島との3連戦(東京ドーム)で阿部は11打数4安打4打点と気を吐いたものの、チームは全て逆転負けを喫した。15日に主将の坂本勇の4安打で連敗が5で止まり、この日は4番の働きで2連勝。負の連鎖を断ち切り、高橋監督も「流れが悪かったけど選手たちがはね返してくれた」とねぎらった。

 ナゴヤドームを離れる直前、報道陣に囲まれながら阿部は「疲れたよ。うん、疲れたね」とつぶやいた。サングラスの奥の目はグラウンドでの眼光の鋭さは消え、穏やかだった。 (重光 晋太郎)

 ≪殊勲打7本は両リーグ最多≫阿部(巨)が7回に先制の適時安打。今季のV打は3度目でセでは新井(広)と並び最も多い。殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)は7本目。こちらは両リーグを通じ、阿部が最多と価値ある安打が目立つ。今季阿部の走者別打撃成績を出すと走者のない場面では22打数2安打(打率.091)だが走者ありでは31打数17安打(.548)、5本塁打、19打点。得点圏打率も.450とチャンスで力を発揮している。