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プロ野球

涌井 強風“押し切り”1勝 野上との新婚対決制した

 ◇パ・リーグ ロッテ1―0西武(2017年4月15日 ZOZOマリン)

<ロ・西>益田(右)からウイニングボールを受け取る涌井

  本拠地に吹く強風を味方につけた。ロッテ・涌井は立ち上がりから直球を高めに投げ込んだ。

 「腕を振れば直球が伸びる」。ZOZOマリンのスコアボードの風速計は最大で18メートル。常時15メートル前後を示し、打者はヘルメットが飛ばされるほどだった。左翼後方の東京湾から吹き付ける風はバックネットに当たって、投手には向かい風に変わり、直球は浮き上がる。ロッテのエースはこの特性を逃さなかった。

 「風で直球が伸びる癖があるから利用できた」。初回2死二塁で、4番・中村への初球は141キロ直球。高めに浮いたが、打者は左方向が逆風となるため、自身の球威なら左方向への長打はないという確信があった。最後はスライダーで遊飛に打ち取った。これが唯一のピンチらしい場面。「西武時代は嫌だった」という球場の「癖」を逆手に取り、右の強打者が並んだ西武打線に三塁を踏ませず、7回を4安打無失点。8三振を奪い、今季初勝利を挙げた。

 3年連続の開幕投手を務めながらここまで2戦勝ちなし。この日は西武時代に自主トレをともにした弟分の野上との投手戦となった。「師弟対決」と同時に、このオフにタレントの押切もえと結婚した涌井が、元モーニング娘。の石川梨華と結婚した後輩との「新婚対決」も制した。

 昨年11月の結婚後、初白星。新妻の観戦を聞かれると「どこかで(登板を)見ていたんじゃないですか」とクールにかわしたが、今季初勝利を「ファンの皆さんより自分が待っていた」と素直に喜んだ。ウイニングボールを珍しくズボンのポケットにしまう姿もあった。伊東監督も「風を味方にしたね」と称えた頭脳的投球。お立ち台で「完封は次回に乞うご期待」と言ったエースは頼もしかった。 (君島 圭介)