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プロ野球

HOT GAMES 門倉健が斬る『4月12日 DeNA 対 阪神』


今週も1カードが経過。セ・リーグでは首位・広島が走り出し、パ・リーグはいまだ楽天が1位の座を守り続けている。今回、直近のカードを見て語ってくれたのは、元横浜、巨人などで活躍した門倉健氏。セ・パ両リーグにおいて不安がではじめた“先発問題”について語る。

——13日の試合を終えた時点で、広島がなんと10連勝を飾っています。昨季優勝の勢いそのままに突っ走っていますね。

「強いです。その一言に尽きますね。働き盛りの選手たちが昨季同様に、いや、昨季以上に活躍していますし、新井貴浩選手みたいなベテランも、エルドレッド選手も元気です。今回の巨人との3連戦がまさにそうでしたが、少しでも隙をみせたら大量得点を奪われてしまう。リードしても気が休まりませんよね。一気にひっくり返されてしまいますから」

——ここまで12試合を戦い、80得点。1試合平均6.7得点という成績です。

「この数字がこのままいくわけはないんですけど、続くんじゃないかと思わせるような勢いは感じます。序盤はこのまま引っ張っていくでしょうね」

——序盤は、ですか?

「打線の調子が落ちた時にどうなるかというのがありますからね。実際、今回の巨人との連戦では、3試合で16点奪われていますし、勝っているのも若いピッチャーが多いですから。これから各球団とふた回り目、そして交流戦に入っていくときにどうなるかというのはまだわからないと思います」

——一方、パ・リーグはいかがでしょうか?

「そうですね。まずは、昨年チャンピオンの日本ハムと、2位のホークスに元気がないということに尽きるんではないでしょうか」

——ズバリ、不調の要因は?

「まあ選手個人に頼ってはいけないですけれど、主力の故障っていうのはやはり大きいですよね。なんの心配もしていない、計算している選手がいないわけですから。計算外の不調も一緒です」

——他球団も含め、WBC組が…という話も出てきてしまっています。

「まあその点はあんまりかなと思いますけどね。結果を残している選手もいますから、それが全てという言い方は違うと思います」

——特に気になる選手はいますか?

「ホークスのバンデンハーク投手ですね。彼は私が韓国プロ野球(KBO)にいたときに指導した経験があるんですが、なかなか本調子になってこない。昨日で2敗ですか。ちょっとバランスを崩しちゃっているのかなという気がします」


——ちなみに今回、門倉さんはHOT GAMESにDeNAと阪神の一戦をあげました。

「はい。まあ今年はキャンプでベイスターズを見せてもらう機会が多かったので、すごく注目しているのですが、厳しいスタートになってしまっています。その中で、勝てば3位浮上の可能性があった今回の阪神戦をあげました」

——どこがうまくいっていないように感じますか?

「やっぱり、先発ですよね。4番・筒香嘉智選手が当たっていないというのもありますけど、現状、日本人の先発投手で勝ったのは濵口遥大投手だけなんですよね。これじゃちょっと計算が立たないな…と」

——FAで山口俊投手が抜け、チームの課題のひとつと言われていたところでもあります。

「そうですよね。ただ、山口投手の現状をみると、残っていたとして状況が変わったかと言われるとそうじゃないと思います。柱と言えるピッチャーがいないのは厳しいですよ」

——このまま厳しい戦いが続いてしまう?

「そうじゃないと信じていますけどね。打線は筒香選手の代わりに梶谷選手が活躍したりと、なんとかカバーできる体制が整ってきているように思うので、投手陣もね。リリーフ含めて、今年の形がしっかりとハマれば昨年みたいに浮上してくると思います。またチェックしていきたいですね」


門倉健(かどくら・けん)

球歴:聖望学園高→東北福祉大→中日→近鉄→横浜→巨人→カブス他

アメリカ、韓国を含め7球団を渡り歩き活躍した右の本格派。190㎝を超える長身から投じる角度ある直球とフォークボールを武器に、先発・中継ぎ・抑えの全てを経験。2005年には奪三振王のタイトルを獲得した。引退後は韓国・三星ライオンズでコーチを務めた。埼玉県出身。右投げ右打ち。投手。公式ブログ(https://ameblo.jp/kadokura-ken/)。