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プロ野球

好調なチームで中継ぎとして勝利に貢献 東北楽天 ドラフト9位ルーキー・高梨雄平

初勝利をあげた4月6日の試合。2死一、三塁のピンチでソフトバンク・柳田を二ゴロに仕留め、ガッツポーズする楽天・高梨=Koboパーク宮城


【写真提供:共同通信社】

 2017年のプロ野球シーズンが開幕して1週間が経過。その中で、新人選手の中で最も速く勝利をあげた投手が、東北楽天ゴールデンイーグルスからドラフト9位で指名され、社会人野球の名門JX-ENEOSから入団した高梨雄平投手だ。いくら実力が全てのプロの世界と言っても、チャンスの多さを考えれば、ドラフト9位から開幕一軍に入るのも至難の業。まさに試行錯誤と努力のうえで成し遂げたプロ初勝利と言えるだろう。アマチュア時代から、ストレートも変化球も評価の高いサウスポーとして名を馳せ、進学校である川越東高3年時は、夏の埼玉県大会ベスト4まで進出。早大進学後も、東京六大学リーグ史上3人目となる完全試合を3年春時に東大戦で達成し、一躍脚光を浴びた。しかし、大学ラストイヤーとなった4年生の時は、1勝もあげることができず、悔しい思いを抱きながらJX-ENEOSへの活躍の場を求めて進む。社会人野球の名門でも、なかなか活躍の場は訪れず、引退の文字も頭の中を過ぎりながら、自らの生き残る道を探し続けた。結果、サイドハンド気味に腕の位置を下げ、打者をいかにして抑えるかの一点にこだわったフォームを作り上げプロ入りまでこぎつけた。開幕後、好調なスタートを切った東北楽天。その好調なチームに貴重な中継ぎとして貢献している変則サウスポーのドラフト9位ルーキーが、シーズン終盤まで勝利の方程式を担う事ができれば、2013年以来の優勝も見えてくるはずだ。