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来秋ドラフト候補の山野太一が雪辱晴らす2安打投球!連覇に向け東北福祉大が8強へ【6/11 第68回全日本大学野球選手権 2回戦 創価大vs東北福祉大】

 ともに複数の好投手を揃える創価大と東北福祉大の一戦は、その期待通りの投手戦となったが、東北福祉大がDeNAの楠本泰史を兄に持つ楠本晃希(3年・花咲徳栄)のソロ本塁打による1点を完封リレーで守りきり、連覇に向けて初戦を突破した。

今春の仙台六大学リーグから無敗と無失点が続く山野。大塚光二監督からの信頼も厚い

 1点を争う展開が予想された試合で勝利を呼び込んだのは先発左腕の山野太一(3年・高川学園)だ。
 
 この日視察した日本ハム・大渕隆スカウト部長が「身長172cmとは思えない角度がある」と評したように、キレの良い球を次々と投げ込んでいった。時に制球を乱し3回には満塁のピンチを招くが、ここでも伸びのある141 km/hのストレートで空振り三振を奪いピンチを脱するなど、内野安打1本のみの投球で先制点を与えなかった。

 対する今秋のドラフト候補の大型右腕・望月大希(4年・市立船橋)も角度のあるストレートに落差の大きいカーブなどを織り交ぜて5回1死まで無安打投球を続けた。

 しかし、均衡を破ったのが楠本のひと振り。3ボール1ストライクから「一番自信のあるボール」(望月)とするインコースのストレート(143km/h)がやや高く中に入ったことを見逃さず振り抜くと、打球はライトスタンドに飛び込む先制本塁打となった。
直後の6回表に山野は二塁打と死球で一死一、二塁のピンチを招くがファーストファウルフライと見逃し三振で抑えて同点を許さなかった。

 このピンチでの投球こそ成長の証だ。昨春の準決勝・慶応義塾大戦では一、二塁のピンチでバント処理の悪送球をするなど3回持たず3失点で降板。その後チームは逆転したが、歓喜に沸いた決勝戦ではベンチを温めた。

 それだけにこの冬は、ピンチの場面を常に想定して投球練習やシャドーピッチングを行なってきた。加えてフィールディングの練習にも注力。この日は見事なグラブトスで相手のセーフティーバントを防ぐなどあらゆる面で成長を見せつけ「“あれだけの練習をやってきたから”と思えました」と振り返る堂々としたマウンドさばきだった。

 そして7回からはドラフト上位候補のサイドハンド右腕の津森宥紀(4年・和歌山東)が登板。中日の中田宗男アマスカウトディレクターが「シャープな腕の振りから胸元に投げ込むボールが素晴らしかった」と高く評価したように、インコースを積極的に突く気迫の投球で無失点に抑え、息詰まる投手戦に終止符を打った。

 東北福祉大はこれで準々決勝に進出。連覇まであと3勝とした。

■2回戦:創価大vs東北福祉大
創価大  000000000=0
東北福祉大 00001000X=1
【創】●望月-萩原
【祉】○山野、津森-岩崎、笹谷
本塁打:東北福祉大・楠本(5回ソロ)

惜しくも投げ負けた望月は「一球で仕留められたのは力不足」としながらも、8回2安打1失点の好投に「自分の投球は通用したので秋への糧にしたい」と前を向いた

文・写真=高木遊
創価大試合後取材=馬場遼