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高校野球

“軟式150キロ腕”高知・森木 龍谷大平安相手に3安打1失点で完投勝利

 ◇練習試合 高知2―1龍谷大平安(2019年6月8日 龍谷大平安ボールパーク)

龍谷大平安打線相手に好投する高知・森木

 中学時代に軟式で150キロを計測した高知(高知)・森木大智投手(1年)が先発し、強豪・龍谷大平安(京都)を相手に3安打1失点(自責0)で高校では初めての完投勝利を収めた。

 初回2死から奥村真大内野手(2年)を高め直球で空振り三振。3者凡退で立ち上がり、ペースをつかんだ。

 「7、8割くらいに抑えて投げた。全イニングを通して力をセーブして打たせて取ることができれば、攻撃にもつながると思ったので」

 最速は143キロながらカーブを効果的に使って緩急を付けた。スライダーなど変化球でカウントを整え、内角直球を勝負球に使用するなど工夫も凝らした。奪った三振は4つだったが、与えた四球は0。27のアウトのうち3分の2近い16を内野ゴロで記録するなど、思惑通りの投球だった。

 「打ち損じた打球が深い場所まで飛んだり、力のある打線だった。高さやコースをしっかり投げ切らなければ、こういうレベルの高いチームは抑えられないと思った」

 5回2死一塁、右中間二塁打を浴び、失策で出した走者を返したが、甲子園大会春夏通算103勝、計4度の優勝を誇る伝統校を相手に、自責点0で堂々と9回を投げ切った。

 意識の変化が“大人の投球”につながった。春季四国大会で公式戦デビュー。ただ当時を振り返り「人間なので欲が出て“速い球を投げたい”と思っていた。それで投球フォームを崩してしまった」と苦笑いする。大会終了後、球速に関しては「いつか出る」と割り切り、球の質を追求する練習に力を注ぐようになった。全体でのキャッチボール後は必ず、30~40メートルの遠投を行う。投球を低めに集めることで回転数を増やすための体の使い方、指先の感覚などを養っている。

 地元・高知を午前2時ごろ出発。約5時間をかけて京都に到着した。車中泊と登板前夜の環境としては厳しいものだったが、投球内容で心身共にタフさも示した。浜口佳久監督は「打者の特徴を見て、工夫して投げられる子。スライダーは同じ球種でも、質を変えていたし、今日(完投を)やってみて自信になったんじゃないか。勉強にもなったと思う」と話した。令和の怪物候補は進化のスピードを緩めない。