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甲子園を沸かせた「スーパー1年生」 苦難を乗り越えドラフトへ。田村 伊知郎(立教大)

「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

田村 伊知郎 たむら・いちろう
報徳学園高→立教大
投手・右投左打・173センチ80キロ・1994年9月19日生(22歳)

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 かつて甲子園を沸かせた「スーパー1年生」が苦難を乗り越え、最速150km/hの本格派右腕として注目を集めている。
 2010年夏の甲子園準決勝で田村は、春夏連覇を果たした興南に惜敗したものの、1年生らしからぬ堂々とした投球でチームの躍進に貢献。大きな注目を集めた。しかし、2年春にセンバツ甲子園で初戦敗退して以降は、甲子園に出場することなく、「周りが求めるものとのギャップを感じ、そこに追いつかなきゃいけない焦りがありました」と当時の苦悩を振り返る。

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 立教大に指定校推薦で進学後も、1年春から登板機会を与えられたが、3年時までは通算2勝となかなか思うような結果が出せなかった。
 だが今年、田村は大きな飛躍を遂げる。春季リーグ戦途中から1回戦の先発を任されると、「勝ち点を挙げたほうが優勝」となる明治大との対戦では、3試合連続で先発を任され、計18回2/3を投げ6失点と試合を作った。惜しくも1勝2敗で優勝はならなかったが、その後には侍ジャパン大学代表にも選出。MLB予備軍と戦った日米大学野球では、守護神役に抜擢された。

 飛躍のきっかけは2月にジャイアンツ球場で行われた『冬季特別トレーニング』だ。全日本大学野球連盟に所属する大学生を対象に、巨人軍OBのコーチ陣が指導を行う同プログラムで、田村は鹿取義隆氏(元巨人、西武/侍ジャパンU-15代表監督)に師事。そこでグラブ側の腕(左腕)の使い方や右肩をしっかり振り切るための意識など教わった。また、かねてから自信を持っていた高めのストレートを褒められたことで、「自分の中での方向性がハッキリしました」と吹っ切れた。
 それまでの田村は「大学に入っていろんな知識が入るようになり、何でも頭で処理しようとしてしまう部分もありました」と語るように深く考えすぎてしまうことがマイナスに働いていた。だが、現在は「マウンドに上がったら、思いきり腕を振り、相手と戦うことしか考えていません」と迷いはない。
 腐ることなく、愚直に野球と向き合ってきたからこそ得た新境地。その自信と気づきを武器に、次なるステージでも真っ向勝負を挑む。

文・写真:高木遊

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