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高校野球

初回から6点を奪い合う激戦
終盤逆転で大阪桐蔭が静岡に勝利!

3月27日(月)「第89回選抜高等学校野球大会」8日目。第3試合は、初戦で不来方(岩手)を12-3で下した静岡(静岡)と、11-0で宇部鴻城(山口)を破った大阪桐蔭(大阪)との2回戦。試合は想定外の事態から幕を開けた。

「選抜第8日」 静岡―大阪桐蔭  静岡―大阪桐蔭 8回表、決勝の三塁打を放ちガッツポーズする大阪桐蔭の代打西島【写真提供:共同通信社】

大阪桐蔭は1回表、1番・藤原 恭大(2年)が、静岡の先発・池谷 蒼大(3年)のスライダーをセンターに弾き返して出塁すると二盗。続く、宮崎 仁斗(2年)も四球を選んだ無死一・二塁から3番・中川 卓也(2年)のバントが悪送球を誘い先制。なおも無死満塁から5番・根尾 昂(2年)はレフト犠牲フライ。6番・山田 健太(2年)ライト前タイムリーヒット。7番・福井 章吾(3年)が中前適時打。そして二死から先発投手の9番・横川 凱(2年)もレフトへ2点適時打を放ち、この回打者10人で6点。好左腕・池谷の高めに入ったスライダーを逃さずヒットにするバッティングが目立った。

しかし、静岡もその裏に猛反撃。大阪桐蔭の先発・横川に対し、1番・村松 開人(2年)の四球と犠打失策・犠打内野安打で無死満塁。ここで4番・成瀬 和人(2年)は真っ直ぐを叩いて左中間へ走者一掃の二塁打。6番・藤田 誠也(3年)も一・二塁間をしぶとく破るタイムリーで4点。立ち上がり、制球の定まらない横川のストレートを狙い打ちした。さらに、代わった香川 麗爾(3年)から7番・稲角 塁(3年)が左中間に適時二塁打。二死後9番・小柳 廉(3年)もライトへ弾き返して打者11人を送り出し6点。初回から両チームが6点を取り合うすさまじい展開となった。

2回裏、大阪桐蔭はエースの徳山 壮磨(3年)を3番手のマウンドに送り出すが、静岡は攻撃の手を緩めない。四球と成瀬の二塁打で無死二・三塁とすると、5番・森 康太朗(3年)がライト前ヒット。静岡が7-6と勝ち越した。

その後、中盤は両投手とも素晴らしいピッチングで打って変わってスコアボードにゼロが並ぶ展開に。そして試合が再び動いたのは7回裏であった。静岡は先頭の成瀬が四球。ボークとバント野選で無死一・三塁とすると、藤田がライト前にタイムリーを放ってリードを2点に広げ、大阪桐蔭を追い詰めた。

厳しい状況に追い込まれた大阪桐蔭。だが、王者の魂が8回表に彼らを突き動かした。この回は5番・根尾がレフト前ヒット。つづく山田も三遊間を破るとレフトがボールの処理を誤っている間に一塁走者が一気にホームイン。さらに福井のバントで走者を三塁へ送ると、8番・坂之下 晴人(3年)の打球は三遊間へ。これが前進守備の遊撃手のグラブを弾くタイムリーとなって同点。なおも盗塁とパスボールで一死三塁とし、代打・西島 一波(3年)の右越え三塁打で、一気に9-8と試合をひっくり返した。

8回裏の静岡はこの回から4番手マウンドに立った大阪桐蔭・根尾を攻め、四球とヒットで一死一・二塁とするが、その後のチャンスを活かせず。逆に大阪桐蔭は9回表、4番・山本 ダンテ武蔵(3年)と山田がタイムリーを放ち、試合は大阪桐蔭が11-8で静岡を下し、2年振りのベスト8進出を果たした。

なお、勝った大阪桐蔭は、3月29日(水)の大会第10日・第4試合の準々決勝で早稲田実業(東京)を11-8で下した東海大福岡(福岡)と対戦する。