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高校野球

高崎健康福祉大高崎、福井工大福井ともに譲らず
甲子園史上初の2試合連続延長15回・再試合

3月26日(日)「第89回選抜高等学校野球大会」7日目。第2試合での延長15回再試合の余韻が残る中。第3試合の2回戦では、初戦で16安打11得点をマークし昨秋北海道大会王者の札幌第一(北海道)を下した健大高崎(群馬)と、終盤逆転で昨秋東北大会優勝の仙台育英(宮城)を6-4で破った福井工大福井(福井)が激突した。

選抜第7日」 健大高崎―福井工大福井  第2試合に続き延長15回で引き分け再試合となり、整列する福井工大福井(左)、健大高崎の両校ナイン【写真提供:共同通信社】

試合は3回裏、健大高崎のビッグイニングから二転三転する展開となる。この回は福井工大福井先発の左腕・摺石 達哉(3年)から8番・伊藤 敦紀(3年)のヒットと死球などで作った二死一・二塁から2番・小野寺 大輝(3年)が右中間2点三塁打。3番・安里 樹羅(3年)のセーフティーバントによるタイムリー内野安打。4番・山下 航汰(2年)もライトオーバーの三塁打。大技・小技を絡めた3連打で4点を奪う。

一方、福井工大福井の反撃も迫力あるものだった。まずは5回表二死走者なしから途中出場の2番・佐藤 勇斗(3年)のセンター前ヒットを契機に、二死満塁から5番・島谷 元貴(3年)は、健大高崎先発の伊藤からライトの頭上を越す走者一掃の三塁打で3-4 。

福井工大福井は5回裏に1点を奪われた直後の6回表にも、9番・摺石の二塁打から二死満塁とすると、代わった小野大夏(3年)に対しても、佐藤が四球を選んで満塁とすると、3番・井上開が健大高崎2番手・小野 大夏の高めの速球をセンター前へ。一塁走者も好走塁でホームを突く逆転3点二塁打となってスコアを6-5とした。

激しい点の取り合い。終盤もスコアは動き続ける。7回裏、健大高崎は得意の機動力を発揮。2番・小野寺が死球で出塁すると、大きなリードから投手がモーションに入る前にスタート。福井工大福井は投手→一塁手→二塁手とボールを送るが、これが悪送球となり小野寺は三進。一死後、山下のレフト犠牲フライにより試合は再び振出しに戻った。

そして、この試合最大のハイライトは9回に訪れる。9回表、福井工大福井は健大高崎の3番手・竹本 甲輝(3年)に対し、ヒットの井上開を一塁に置いて4番・山岸 旭が左中間へ勝ち越しの適時二塁打。7-6とした。

しかしその裏、健大高崎は俊足・小野寺がエラー、安里の死球などで得た二死二・三塁から二塁走者が大きく離塁。そこで摺石が二塁へ牽制球間に三塁走者の小野寺が本塁へ突入するという健大高崎のスベシャルオプションが成功。今大会5試合目の延長戦となった。

延長戦は互いに一歩も引かない戦いとなった。福井工大福井は11回裏、一死満塁のピンチを摺石が凌ぐと12回以降は後を引き継いだ氏家 拓海(3年)が好投。健大高崎も10回から再登板した伊藤が13回表の一死一三塁のピンチを無失点で守りきるなど、粘りの投球。

結局、延長戦では両者得点が入らず延長15回7-7で引き分け。第2試合の福岡大大濠(福岡)と滋賀学園(滋賀)に続く2試合連続再試合は、春夏通じて全国大会初の出来事となった。

なお、この結果を受けて、再試合2試合は3月28日(火)に大会9日として、第1試合(11:00開始予定)が福岡大大濠vs滋賀学園。第2試合<13:30開始予定>健大高崎vs福井工大福井のカードで行われる。

また。3月27日(月)の試合日程は再変更となって当初予定の3試合日に戻り、第1試合は9:00プレーボールの予定。そして準々決勝は3月29日(火)8:30から4試合。準決勝は休養日がなくなり3月30日(水)11:00から2試合。決勝戦は3月31日(木)12:30開始予定である。