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壮絶打撃戦の末、延長10回に盛岡大付属がサヨナラ勝ち

「選抜第2日」 高岡商―盛岡大付  高岡商―盛岡大付 10回裏、植田(左下)がサヨナラの生還を果たし、ベンチを飛び出し喜ぶ盛岡大付ナイン=甲子園【写真提供=共同通信社】

第89回センバツ2日目第1試合
「1回戦 盛岡大付(岩手)vs高岡商(富山)」

 3月20日、第89回選抜高等学校野球大会2日目・第1試合、4年ぶり4回目出場の盛岡大付(岩手)と7年ぶり5回目出場となる高岡商(岩手)の1回戦は壮絶な打撃戦となった。
 
 口火は1回表の高岡商から。一死二塁から2年生4番・筏 秀生(2年)が盛岡大付先発の左腕・三浦 瑞樹(3年)が投じた高めに入った直球を見逃さず、レフトスタンドへ飛び込む2ランで2点を先制。

 しかし1回裏、盛岡大付も二死二・三塁のチャンスを作り、5番の須藤 颯(3年)が左翼線を破る二塁打を打ち同点に追いつくと、2回裏には、昨秋まで4番を打っていた9番の松田 夏生(3年)が甘く入った変化球を振りぬき、大会4号となる本塁打で勝ち越しに成功した。

 だが3回表、高岡商は二死二塁から、6番・吉本 樹(3年)の中前適時打で同点。さらに4回表、一死一、二塁から3番・島村 功記(3年)が右中間を破る適時三塁打で5対3と勝ち越すと、ここで三浦に代わりマウンドに上がった平松 竜也(3年)からも4番・筏が犠飛を放って6対3と点差を広げた。

  4回裏、盛岡大付が再び反撃開始。二死二塁から1番植田 拓(3年)が高岡商先発・左腕の土合 伸之輔(3年)の外角球を捉え、左中間を破る適時二塁打で1点を返すと、2番・林 一樹(3円)、3番・大里 昂生(3年)の連続適時打で同点に追いつく。

 さらに5回裏、盛岡大付は二死二塁から2回に本塁打を打っている9番松田が右翼線へ三塁打を打って勝ち越し6対6とすると、1番植田拓も左前適時打で、8対6とこの試合、初めて2点リードを奪った。

 まだまだスコアは動き続ける。高岡商は6回表、無死一塁から2番久保 優斗(3年)が仕掛けたバスターエンドランが右中間の横を抜ける三塁打となり、7対8。同点機をつかむとすかさず3番島村が犠飛を打って8対8。7回以降、両チームとも得点圏まで走者を進めるも、お互いの好守備で勝ち越し点を許さず、試合は今大会2度目の延長戦に突入する。

 10回表、高岡商は二死二塁から1番・中村 昂央(2年)が右前適時打を放ち勝ち越しに成功。これで試合は決まったかと思われた。が、10回裏、盛岡大付は9回から土合を継いだ高岡商2番手・伏見 拓真(3年)を攻め立て、無死二・三塁のチャンスから2番林が中前適時打を放ち、二塁走者・植田も俊足を飛ばして、本塁へ生還。盛岡大付が10対9の逆転サヨナラ勝ちで、両チーム合わせて27安打が飛び出した打撃戦に終止符を打った。

 なお、2回戦に進出した盛岡大付は大会6日目の第3試合で、1回戦で熊本工(熊本)を9対0で下している前回大会覇者の智辯学園(奈良)と対戦する。